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マンションご売却

2025/06/20

マンション査定の見極め方|高すぎる査定額を疑う方法とAI査定・訪問査定の使い分け

マンション査定の見極め方|高すぎる査定額を疑う方法とAI査定・訪問査定の使い分け グローバルトラスト不動産

マンションの売却を考え始めると、最初に受けるのが「査定」です。ところが、査定の段階でつまずく方は少なくありません。「会社によって金額が1,000万円以上違う」「一番高い査定額を出した会社に頼んだのに、売り出したら値下げの相談ばかり」「AI査定の数字は信じてよいのか」。

結論から申し上げます。査定額は「売れる価格」ではなく、その会社が「この期間で売れる」と見込んだ意見です。 そして、高い査定額を出す会社が、高く売ってくれる会社とは限りません。 媒介契約を得るために相場より高い査定額を提示し、売り出してから値下げを提案する、というケースがあるからです。

見極めの軸は「高さ」ではなく「根拠」です。宅地建物取引業法は、媒介契約において不動産会社が売買すべき価額について意見を述べるときに、その根拠を明らかにすることを義務付けています。媒介契約に至る前の査定は、この規定の直接の対象ではありませんが、媒介契約書に記載する価額の前提になるため、実務上は査定の段階から根拠を確認することが重要です。比較事例や補正を説明できない査定額は、金額の高さだけで採用しないでください。

本記事では、AI査定・机上査定・訪問査定・一括査定の4つの方法の使い分けから、査定額がどう決まるのか、根拠の聞き方、高すぎる査定額を数字で見抜く方法、そして査定額から売り出し価格を決めるまでを、法令の原文と公益財団法人 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の最新データに基づいて整理します。金額例は、都心のマンション市場に合わせて1億円を基準にしています。

【この記事でわかること】

  • 査定額と売却価格の違い。査定が無料で提供されている背景と、宅地建物取引業法が根拠の明示を求める範囲
  • AI査定・机上査定・訪問査定・一括査定の精度・所要時間・向いている段階
  • 査定額の算出方法(取引事例比較法・価格査定マニュアル)と、査定書のどこを見るか
  • 宅地建物取引業法第34条の2第2項が根拠の明示を求める範囲と、査定の段階から根拠を聞くべき理由、査定を受けたときに聞く7つの質問
  • 高すぎる査定額を数字で見抜く4つのチェックと、高値で売り出した場合の値下げの試算(1億円例)

【気になるところからお読みください】


マンション査定とは?「査定額」と「売れる価格」は別物

マンション査定とは、不動産会社が、対象のマンションが「いくらで売れそうか」を、過去の成約事例や物件の条件をもとに見積もり、意見として示すことです。 査定額は媒介契約を結ぶ前の判断材料であり、その金額で売れることを約束するものではありません。この章では、査定の位置づけと、査定が無料で提供されている背景、宅地建物取引業法が費用を請求できないとする範囲を整理します。

査定とは「売れると見込む価格」についての不動産会社の意見

媒介契約を結ぶと、媒介契約書には「売買すべき価額又はその評価額」が記載され、不動産会社がその価額について意見を述べるときは根拠を明らかにする必要があります(宅地建物取引業法第34条の2第1項第2号・第2項)。媒介契約前の査定額は、この価額を決める前提の資料として扱われるものです。不動産鑑定士が行う「鑑定評価」とは別のもので、査定書は鑑定評価書ではありません。国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」も、根拠を書面で示す場合には「不動産の鑑定評価に関する法律に基づく鑑定評価書でないことを明記する」ことを求めています。

つまり査定額とは、「この会社が、この物件をこの期間で売るなら、この価格が妥当だと考えている」という意見です。会社によって、参照する成約事例、想定する販売期間、営業上の狙いが違うため、同じ部屋でも査定額には差が出ます。

査定額と売却価格は一致しない

査定額は売り出し価格を決めるための出発点であり、最終的な売却価格は、買主との交渉で決まります。都心のマンション市場では、同じ条件の部屋でも、売り出す時期、同じマンション内の競合物件の有無、販売活動の内容によって成約価格が動きます。

査定額が高いこと自体は、その価格で売れることを意味しません。逆に、査定額が控えめでも、根拠が明確で販売戦略が伴っていれば、結果として高く売れることもあります。査定額は「参考価格」として受け止め、なぜその金額なのかを確かめることが出発点です。

査定は無料が一般的:宅地建物取引業法が費用を請求できないとする範囲

不動産会社の査定は、一般に無料で提供されています。これに関連して、宅地建物取引業法第34条の2第2項は、媒介契約における売買すべき価額・評価額について不動産会社が意見を述べる場合に、その根拠を明らかにすることを義務付けています。「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第34条の2関係)は、この根拠を示すことについて、次のように定めています。

根拠の明示は、法律上の義務であるので、そのために行った価額の査定等に要した費用は、依頼者に請求できないものであること。

媒介価額の根拠を示すために行った査定等の費用は、依頼者に請求できないという整理です。媒介契約の前に受ける査定がこの規定の直接の対象になるわけではありませんが、多くの不動産会社は査定を無料で提供しています。査定を受けたからといって、その会社と媒介契約を結ぶ義務はなく、「査定だけ受けて、売らない」という選択も依頼者側の自由です。

POINT 上の整理が直接及ぶのは、媒介契約における売買すべき価額の根拠を示すために行う査定です。有償の調査や不動産鑑定士による鑑定評価は別のサービスであり、費用がかかることがあります。査定に費用が発生する場合は、何に対する費用かを事前に確認してください。複数の会社に査定を依頼し、根拠を比べてから判断するのが、実務上は有効な使い方です。


都心の高層マンションの整えられたリビング。大きな窓の外に街並みが見え、訪問査定で確認される室内の状態と眺望を表している

マンション査定の方法は4種類|AI査定・机上査定・訪問査定・一括査定の違い

マンションの査定には、大きく分けて「AI査定」「机上査定(簡易査定)」「訪問査定」の3つの方法と、机上査定を複数社に同時に依頼する仕組みである「一括査定」があります。精度と手間はそれぞれ違い、売却のどの段階にいるかで使い分けます。この章では、4つの方法の違いと段階別の使い分けを整理します。

【比較表】4つの査定方法の違い

方法 内容 精度 所要時間 営業連絡 向いている段階 都心マンションでの特徴
AI査定 過去の取引事例や物件データをもとに、アルゴリズムが自動で価格を算出 概算(同一マンションの事例が多いほど安定) 数秒〜数分 サービスにより無し 売るかどうか未定。相場観をつかむ 事例が多く数字は出やすいが、階数・眺望・内装は反映されにくい
机上査定(簡易査定) 物件情報と成約事例をもとに、担当者が現地を見ずに算出 概算 即日〜数日 あり 売却を検討し始めた段階 同一マンション内の直近成約を参照できるため、AIより個別性を反映しやすい
訪問査定 担当者が現地で室内・共用部・眺望・管理状態を確認して算出 売り出し価格の根拠になる水準 依頼から結果まで1〜2週間程度 あり 売却を決めた段階。売り出し前に受けるのが実務上の前提 階数・角部屋・眺望・リフォーム歴など、都心で価格差の大きい要素を反映できる
一括査定 一度の入力で複数社に机上査定を依頼する仕組み 机上査定と同じ 数日 複数社から集中する 比較の入口 査定額の高さが目につきやすい。金額だけでなく根拠を比べる
AI査定・机上査定・一括査定・訪問査定を、精度(個別事情の反映度)と手間・営業連絡の2軸に置いた図。AI査定と机上査定は手間が少なく相場観をつかむ段階に、一括査定は机上査定と同じ精度で営業連絡が集中し、訪問査定は現地で階数・眺望・管理状態を確認するため精度が最も高く売り出し価格の根拠になることを示している

図1:4つの査定方法の位置づけ(精度と手間・営業連絡)

机上査定(簡易査定)の特徴と限界

机上査定は、所在地・専有面積・間取り・階数・築年数などの物件情報と、周辺や同じマンション内の成約事例をもとに、担当者が現地を訪問せずに算出する方法です。「簡易査定」とも呼ばれます。

わかるのは「おおよその売却価格」です。現地を確認しないため、売主から情報を伝えない限り、室内の状態、眺望、リフォームの有無、管理状態は十分に反映されにくいのが実情です。売却を検討し始めた段階で相場感をつかむには十分ですが、売り出し価格を決める材料にはなりません。

訪問査定の特徴:売り出し前に受けるのが実務上の前提

訪問査定は、担当者が実際にマンションを訪れ、室内だけでなくエントランスや共用廊下、駐車場、掲示板の内容まで確認したうえで算出する方法です。管理状態や修繕積立金の状況、眺望や日当たり、リフォーム歴など、机上ではわからない要素が査定額に反映されます。

法律上の義務ではありませんが、売り出し価格の根拠を得るために、売却活動を始める前に訪問査定を受けるのが実務上の前提です。担当者と直接会って、根拠の説明を受け、販売戦略を聞けるのも訪問査定の利点です。この「説明を受ける場」が、会社を見極める最初の機会になります。

一括査定サイトの位置づけ

一括査定サイトは、物件情報を一度入力すると、提携する複数の不動産会社に机上査定をまとめて依頼できるサービスです。査定額の幅を短時間でつかめる反面、申し込み直後から複数社の営業連絡が集中しやすく、各社の査定額の高さが目につきやすい面があります。金額だけでなく、根拠を比べる前提で使います。

一括査定で得た数字は「各社の初期提示」として扱い、そこから2〜3社に絞って訪問査定を受ける、という使い方が現実的です。一括査定サイトのメリット・デメリットと使い方のコツは、不動産会社の選び方|売却で失敗しない7つの判断基準で詳しく解説しています。

段階別の使い分け

  1. 売るかどうか、まだ決めていない:AI査定や机上査定で相場観をつかむ。数か月おきに確認して、価格の動きを見る
  2. 売却の方向で検討している:机上査定を2〜3社に依頼し、査定額の幅と各社の根拠を比べる
  3. 売却を決めた:訪問査定を2〜3社に依頼し、根拠・想定販売期間・販売戦略を聞いたうえで、媒介契約を結ぶ会社を選ぶ

プロのアドバイス 訪問査定を「売ると決めてから」に限定する必要はありません。「売るかどうか決めるために、実際の見込額を知りたい」という段階でも受けられます。机上査定と訪問査定で数字が大きく違う場合、その差の理由(眺望、内装、管理状態など)を聞いておくと、ご自身の部屋の強みと弱みがわかります。


まず、いまの相場感を知りたい方へ

「売るかどうかは決めていないが、いくらで売れそうかは知りたい」という段階でも、査定はご利用いただけます。当社の査定は、同じマンション内の成約事例と現在の市況をもとに、根拠を添えてご説明します。査定を受けたからといって、媒介契約を結ぶ必要はありません。

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AI査定の仕組みと精度|都心マンションで使える理由と使えない場面

AI査定とは、過去の成約事例や売り出し事例、賃料、地価、駅からの距離などのデータをもとに、アルゴリズムが自動で価格を算出する仕組みです。 机上査定をコンピュータが代行するもの、と考えるとイメージしやすくなります。この章では、AI査定が都心マンションで使いやすい理由と、反映しにくい要素、数字の使い方を整理します。

AI査定の仕組み:机上査定の自動化

AI査定は、大量の取引データから「この条件の物件はこの価格帯で取引されている」というパターンを学習し、入力された物件条件に当てはめて価格を出します。参照するデータの種類はサービスによって異なりますが、公開されている売買事例、賃貸事例、新築分譲価格、公示地価などを組み合わせるのが一般的です。

人が行う机上査定と違うのは、担当者の判断が入らないことです。担当者の営業判断による上乗せが入りにくい一方、その物件固有の事情をどこまで汲めるかは、サービスの設計と保有データに左右されます。

都心マンションで精度が出やすい理由

AI査定は、戸建てよりマンション、郊外より都心で安定しやすいとされています。理由は取引事例の多さです。同じマンションの中に似た間取りの部屋が複数あり、同じエリアで毎月まとまった数の成約があるため、比較対象が豊富で、価格のパターンが形成されやすくなります。

渋谷区・港区・目黒区・千代田区・中央区・品川区・世田谷区・杉並区のように取引が多いエリアでは、AI査定の数字は「相場の中心」を知る目安として使えます。

AI査定が反映しにくいもの:1億円帯では1%が100万円

一方で、AI査定には反映しにくい要素があります。階数・方角・専有面積などを入力して反映するサービスもありますが、反映の度合いはサービスと保有データによって異なります。

  • 階数・向き・角部屋:同じマンションでも、高層階・南向き・角部屋には価格差がつきます。入力できるサービスもありますが、データ上に区分がなければ反映されません
  • 眺望・日当たり・騒音:数値化しにくく、現地を見なければわかりません
  • 内装・設備の状態・リフォーム歴:フルリフォーム済みの部屋と、入居時のままの部屋が同じ価格で出ることがあります
  • 管理状態・修繕積立金の残高・大規模修繕の予定:訪問査定で確認する項目です
  • 売主の事情:売り急ぎや、逆に時間をかけて高く売りたいという方針は反映されません

都心の高額帯では、この「反映されにくい部分」の影響が大きくなります。1億円の物件では、査定の1%のずれが100万円に相当します。 階数や眺望で数百万円の差がつくこともある都心では、AI査定の数字をそのまま売り出し価格にはできません。

AI査定の数字はこう使う

AI査定の使いどころは、次の3つです。

  1. 売却検討の入口:「売れるとしたらどの価格帯か」を、誰にも連絡せずに把握する
  2. 定点観測:数か月おきに同じ条件で確認し、相場の動きを見る
  3. 訪問査定との突き合わせ:訪問査定の結果がAI査定から大きく離れていたら、その理由を担当者に聞く材料にする

注意 AI査定サービスが公表する「精度」や「誤差率」は、各サービスの自己申告であり、対象エリアや物件種別によって大きく変わります。本記事では特定の数値を引用しません。AI査定は「相場の中心を知る道具」であって、「売り出し価格を決める道具」ではない、という整理で十分です。

AI査定・机上査定・一括査定は何が違うのか

混同されやすい3つを整理します。

AI査定 机上査定 一括査定
算出するのは アルゴリズム 不動産会社の担当者 複数の不動産会社の担当者
現地確認 なし なし なし
個別事情の反映 限定的(入力できる項目とサービスによる。眺望・室内の状態は反映しにくい) 担当者が事例を選ぶ範囲で反映 同左
営業連絡 サービスによりなし あり 複数社から集中
数字の性格 自動算出の概算(営業判断が入りにくい) 会社の意見 各社の初期提示(金額の高さが目につきやすい)

AI査定と机上査定はどちらも現地を見ない概算ですが、机上査定には担当者の判断が入ります。同じマンション内の直近成約や、売主から聞いた情報を踏まえられる点で、AI査定より個別性を反映しやすい反面、営業上の意図が混じる余地もあります。


査定額はどう決まる?取引事例比較法と「価格査定マニュアル」

マンションの査定額は、主に「取引事例比較法」で算出されます。近い条件の成約事例を選び、対象物件との違いを補正して価格を求める方法です。不動産会社が根拠を合理的に示すための道具として、公益財団法人不動産流通推進センターが「価格査定マニュアル」を提供しています。この章では、査定額の算出の仕組みと、査定で見られる項目、査定書の用語を整理します。

マンション査定の基本は取引事例比較法

不動産の価格を求める方法には、大きく3つの考え方があります。

手法 考え方 マンション査定での位置づけ
取引事例比較法 近い条件の物件が実際にいくらで成約したかを集め、対象物件との違いを補正して価格を求める 中心となる手法。同一マンション・同一エリアの成約事例が豊富な都心では特に有効
原価法 同じものを新たに建てた場合の費用(再調達原価)から、築年数に応じた減価を差し引く 主に戸建ての建物部分。マンションでは補助的
収益還元法 その物件が生む賃料収入から、投資物件としての価値を逆算する 投資用ワンルーム等で用いる。居住用マンションでは補助的

居住用マンションの査定では、取引事例比較法が中心です。「どの事例を選び、どう補正したか」が査定額の根拠そのものになります。同じ手法を使っても、選ぶ事例と補正の仕方が違えば、会社ごとに査定額は変わります。

価格査定マニュアルとは

価格査定マニュアルとは、宅地建物取引業者が依頼者に価格の意見を述べる際に、根拠を合理的に示すための手法として開発されたツールで、公益財団法人不動産流通推進センターが提供しています。 物件の情報(築年数・仕様など)を入力すると、事例との比較に基づいて査定額を算出する仕組みです。

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、価格の意見の根拠として「価格査定マニュアル(公益財団法人不動産流通推進センターが作成した価格査定マニュアル又はこれに準じた価格査定マニュアル)や、同種の取引事例等他に合理的な説明がつくもの」を挙げています。価格査定マニュアルの使用が義務なのではなく、「合理的な説明がつく根拠」の代表例として位置づけられている、という理解が正確です。

査定で見られる項目と、都心での重み

マンションの査定で確認される主な項目は次のとおりです。都心の高額帯では、右列の要素が価格差を生みやすくなります。

項目 見られる内容 都心で差がつきやすい点
立地 最寄り駅・駅からの距離・複数路線の利用可否 駅徒歩5分以内か、都心3区・5区の中心か
同一マンション内の成約事例 直近1〜2年に同じ建物で成約した部屋の単価 最も重視される。事例が古い場合は時点修正が入る
階数・向き・角部屋 高層階・南向き・角部屋のプレミアム タワーマンションでは階数差だけで数百万円の差
専有面積・間取り 広さと使いやすさ 同じ面積でも2LDKと3LDKで買い手層が変わる
築年数・構造 経過年数と新耐震基準の適合 築古でも管理と立地しだいで価格が維持される
眺望・日当たり 現地でしかわからない要素 眺望の抜けが価格に直結する
内装・設備・リフォーム歴 水回りの更新、床・壁の状態 フルリフォーム済みかどうか
管理状態・修繕積立金 管理員の勤務形態、長期修繕計画、積立金の残高 大規模修繕の予定と一時金の有無
共用部・駐車場 エントランス、ラウンジ、駐車場の空き ブランドマンションでは共用部が評価される

査定書に出てくる用語:事例の選び方・時点修正・評点

訪問査定を受けると、多くの会社が「査定書」を渡します。読み方の要点は3つです。

  1. 比較事例:どの物件の成約事例を使ったか。同じマンション内か、近隣か。時期はいつか。事例が古い、遠い、条件が違いすぎる場合は、その理由を聞きます
  2. 時点修正:事例の成約時期から現在までの市況変動を織り込む補正です。市況が動いている局面では、この補正の根拠(何%上げた・下げたのか、その理由)が査定額を左右します
  3. 評点(格差修正):階数・向き・内装・管理状態などの項目ごとに、事例との違いを点数化して補正するものです。価格査定マニュアルを使う会社では、この評点が根拠の中心になります

POINT 査定書に「比較事例」「時点修正」「評点」のいずれかが書かれていない場合は、口頭で説明を求めてください。媒介契約の場面では根拠を示すことが法律上の義務であり、口頭でも書面でもよいとされています。査定の段階でも、口頭で説明できない査定額には根拠がない可能性があります(→根拠を聞く理由と法律の範囲)。

自分でも相場を調べられる:レインズ・マーケット・インフォメーションと不動産情報ライブラリ

査定を受ける前に、自分で相場を調べておくと、査定額の妥当性を判断しやすくなります。誰でも使える公的な情報源が2つあります。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション(公益財団法人 東日本不動産流通機構ほか):不動産会社が登録した成約事例を、エリア・築年・面積などの条件で検索できます。個別の物件名は表示されませんが、「この条件の部屋はこの単価帯で成約している」という幅がわかります
  • 不動産情報ライブラリ(国土交通省):実際の取引価格を、地図上で確認できます。取引価格データのほか、地価公示や防災情報も同じ画面で見られます

どちらも「成約した価格」「取引された価格」のデータであり、売り出し中の価格ではありません。ポータルサイトに並ぶ売り出し価格は、まだ売れていない価格である点に注意してください。

また、どちらも個別の物件が特定できないよう加工された情報です(不動産情報ライブラリの取引価格情報は、所在地が町名まで、価格は有効数字2桁で提供されます)。同じマンションの直近の成約を確認するには、不動産会社が持つレインズの成約事例や査定書の比較事例が必要です。これらの公開情報は、周辺や類似条件の成約水準をつかむために使います。


明るい部屋の木のテーブルに置かれた印刷された報告書、ペン、電卓、お茶。査定書の数字を確かめている様子

査定額の根拠を聞く理由|宅地建物取引業法第34条の2第2項が求める根拠の明示

宅地建物取引業法は、媒介契約において不動産会社が売買すべき価額について意見を述べるとき、その根拠を明らかにすることを義務付けています。媒介契約に至る前の査定は、この規定の直接の対象ではありませんが、査定額は媒介契約書に記載する価額の前提になるため、同じ基準で「なぜこの金額なのか」を聞くことをおすすめします。この章では、条文と国土交通省の解釈を原文で確認したうえで、法律の範囲と実務上の勧めを分けて整理し、査定を受けたときに聞くべき7つの質問をまとめます。

条文の要点:根拠を明らかにしなければならない

宅地建物取引業法第34条の2は、第1項で、媒介契約を締結したときに依頼者へ交付する書面の記載事項として「当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額」(第2号)を定め、第2項で次のように定めています。

宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

つまり、この義務が直接及ぶのは、媒介契約における「売買すべき価額又はその評価額」について不動産会社が意見を述べる場面です。媒介契約前の査定そのものを対象とした規定ではありませんが、査定額はこの価額の前提となる同じ性質の意見であり、実務上は査定の段階から同じ水準の根拠を求めるのが妥当です。

「根拠」として認められるもの:価格査定マニュアルや取引事例

何が根拠に当たるかは、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(第34条の2関係「媒介価額に関する意見の根拠の明示義務について」)に示されています。

意見の根拠としては、価格査定マニュアル(公益財団法人不動産流通推進センターが作成した価格査定マニュアル又はこれに準じた価格査定マニュアル)や、同種の取引事例等他に合理的な説明がつくものであることとする。

同じ箇所には、次の3点も示されています。

  • 依頼者に示すべき根拠は、宅地建物取引業者の意見を説明するものなので、必ずしも依頼者の納得を得ることは要しないが、合理的なものでなければならない
  • 根拠の明示は、口頭でも書面でもよい。書面を用いるときは、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく鑑定評価書でないことを明記し、みだりに他の目的に利用しないよう依頼者に要請する
  • 根拠の明示は法律上の義務であるため、そのために行った価額の査定等に要した費用は、依頼者に請求できない

「合理的なものでなければならない」という部分が要点です。「長年の経験からこの金額です」「うちは営業力があるので高く売れます」という説明だけでは、取引事例や価格査定マニュアルに基づく合理的な根拠として十分とはいえません。

法律の範囲と、査定の段階で根拠を聞く理由

以上をまとめると、法律が根拠の明示を義務付けているのは媒介契約の場面ですが、査定額はその前提になるため、査定書の有無にかかわらず、査定の段階でも口頭での説明を求めるのが妥当です。

一方で、「必ずしも依頼者の納得を得ることは要しない」ともされています。根拠の説明を受けたうえで、その査定額を採用するかどうかを決めるのは売主側です。説明に納得できなければ、他社の根拠と比べて判断すればよい、という構造です。

査定を受けたときに聞く7つの質問

根拠を引き出すために、訪問査定の場で次の7つを聞いてください。

  1. 比較した成約事例はどれですか。同じマンション内の事例か、近隣か。いつの成約か
  2. 同じマンション内で、直近1年の成約単価はいくらですか。査定額の㎡単価との差と、その理由
  3. 時点修正はどのくらい見ていますか。市況の変動をどう織り込んだか、その根拠
  4. 想定している販売期間はどのくらいですか。「3か月以内に売れる価格」なのか、「半年かけてもよい価格」なのか
  5. その価格で売れなかった場合、いつ・どのように見直しますか。値下げの時期と幅の考え方
  6. 売り出し価格はいくらを提案しますか。その理由は。査定額との差と、交渉余地の見方
  7. 買取ならいくらになりますか。仲介での査定額との差から、その会社の見立ての幅がわかります

7つの質問に事例と数字で答えられるかどうかで、その会社の査定の姿勢が見えてきます。

根拠を説明できない・はぐらかす会社の見分け方

次のような対応が見られた場合は、査定額の高さにかかわらず、注意が必要です。

  • 比較事例を聞いても「近隣の相場から」としか答えない
  • 査定書がなく、口頭でも事例や補正の説明がない
  • 「この金額で売れる保証はないが、まず高めに出してみましょう」と、根拠ではなく戦略の話にすり替える
  • 想定販売期間を聞いても答えない、あるいは「すぐ売れます」とだけ言う

会社の見極めについては、不動産会社の選び方|売却で失敗しない7つの判断基準で、注意したい会社のサインを含めて解説しています。


根拠を説明できる査定を受けたい方へ

当社の査定では、同じマンション内と近隣の成約事例、時点修正の考え方、想定する販売期間を、根拠として書面と口頭でご説明します。他社の査定額をお持ちの場合は、その根拠との比較もお手伝いします。

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高すぎる査定額を見抜く方法|なぜ起きるのか・数字での見抜き方

高すぎる査定額が出る理由には、比較事例の選び方や販売期間の想定の違いに加え、媒介契約を得るために強めの金額を提示するケースがあります。査定額に法的な拘束力はなく、契約後に値下げの提案へ移る運用では、時間と金銭の不利益が売主側に集中しがちです。この章では、高すぎる査定額が出る構造と、数字で見抜く4つのチェック、高値で売り出した場合に何が起きるかを、1億円の物件で試算します。

なぜ高すぎる査定額が出るのか:根拠で説明できない「上乗せ」

取引事例比較法で算出しても、選ぶ事例や補正、想定する販売期間が違えば、査定額には差が出ます。ただし、1社だけ突出して高い査定額が出て、その差が事例や補正で説明できない場合は、媒介契約を結ぶ前に、比較事例・補正の内容・想定販売期間を具体的に確認する必要があります。

査定額はあくまで意見であり、その金額で売る義務は会社にありません。高い査定額で媒介契約を結んだあと、売り出してから「反響が少ない」「内覧が入らない」ことを理由に値下げを提案されるケースでは、当初の査定額と実際の反響とのズレを早い段階で検証する必要があります。値下げを重ねる場合、時間と費用の負担を引き受けるのは売主側であり、高い査定額は、根拠の裏付けを欠いた数字だったことになります。

高値スタートの代償:売れ残るほど値下げ幅が広がる

高すぎる価格で売り出すと、何が起きるのでしょうか。

第一に、買主の検索から外れます。 買主はポータルサイトで価格帯を絞って探すため、相場から離れるほど候補に入りにくくなります。当社の実務上の目安では、1割高いと検索の価格帯から外れやすくなります。内覧が入らなければ、値下げの提案が始まります。

第二に、「売れ残っている物件」と見られます。 価格改定の履歴などを確認できるサービスもあり、長く掲載されていることが買主に認識されると、買主から「何か問題があるのではないか」「まだ下がるのではないか」と受け取られやすく、値引き交渉が強まりがちです。

第三に、市況によっては、待つほど不利になります。 東日本レインズの「月例速報 Market Watch」2026年8月度によると、首都圏の中古マンションは、成約件数が前年同月比マイナス10.5%と5か月連続で減少する一方、在庫件数は48,235件(同プラス8.2%)と6か月連続で増加しています。在庫(売り出し中)物件の平均㎡単価(119.36万円)は、成約した物件の平均㎡単価(81.60万円)を上回っています。ただし集計対象が異なるため、これは個別物件の値下げ幅ではなく、売り出し中の物件と成約した物件の価格水準に差があることを示す参考指標です。東京都区部でも、成約件数は1,265件(前年同月比マイナス20.6%)と8か月連続の減少、成約㎡単価は132.69万円(同マイナス0.3%)と76か月ぶりの下落でした(いずれも2026年8月度の数値)。

在庫が増え、成約が減っている局面は、需給が緩む方向を示す材料です。当社の見方では、高値で売り出して様子を見る余地は以前より小さくなっています。ただし、これは単月のデータであり、エリア・価格帯・物件によって状況は異なります。なお、東日本レインズは、2025年1月以降に成約登録の適正化を図るシステム改修を行ったことが、成約件数に影響を与えている可能性があると同じ資料で注記しています。成約件数の前年比は、この点も踏まえて読む必要があります。

数字で見抜く4つのチェック

高すぎる査定額かどうかは、次の4つで確かめられます。

チェック 見方 判断の目安
①中央値からの乖離率 3社以上の査定額を並べ、中央値(真ん中の値)を基準に、各社の乖離率を出す 中央値1億円に対し、1社だけ1億1,500万円ならプラス15%。他社が数%以内に収まっているなら、その1社に根拠を確認する
②同一マンション内の直近成約単価との差 査定書の比較事例や不動産会社が持つレインズの成約事例で、同じ建物の直近成約㎡単価を確認し、査定額の㎡単価と比べる(レインズ・マーケット・インフォメーションでは周辺・類似条件の水準を確認する) 階数・向き・内装で説明できる差か。説明できない上乗せがあれば疑う
③想定販売期間の説明 「その価格で、どのくらいの期間で売れる見込みか」を聞く 「3か月以内」と答えるなら、その根拠となる事例があるはず。答えられない場合は根拠が弱い
④値下げ前提の提案の根拠 査定額の根拠を十分に説明しないまま「まず高めに出して、反響を見て下げましょう」と提案されていないか 査定額と売り出し価格は別物。値下げの計画自体は戦略として合理的な場合もあるため、査定額の根拠、売り出し価格の設定理由、値下げの条件と時期をそれぞれ確認する

プロのアドバイス 乖離率の計算は、平均ではなく中央値を基準にしてください。1社だけ極端に高い査定額があると、平均はその数字に引っ張られます。3社なら真ん中の値、4社なら中央2社の平均を基準にすると、突出した1社が見えやすくなります。

値下げのタイムライン試算:基準価格スタートと高値スタートの違い(1億円例)

高値で売り出した場合に何が起きるかを、当社の仮定に基づいて試算します。結果を予測するものではなく、高値で設定した場合に生じうるコストを説明するための仮想例です。複数社の査定額の中央値を、比較のための仮の基準価格(以下「基準価格」)として1億円とし、Aは基準価格に交渉余地として2%を上乗せした1億200万円で売り出した場合、Bは1社だけ突出して高かった査定額に合わせて1億1,000万円で売り出した場合です。

経過 A:基準価格+2%の1億200万円で売り出し B:1億1,000万円で売り出し
売り出し〜1か月 相場どおりの価格として検索に入り、内覧が入る 相場より1割高く、価格帯の検索から外れやすい。内覧が少ない
2〜3か月 購入申込。値引き交渉を経て1億円で成約 反響が少なく、1億500万円に値下げ
4〜6か月 (引き渡し) 長期掲載と値下げの履歴が買主に認識され、様子見される。1億円に再値下げ
7〜9か月 — 「売れ残り」として値引き交渉が強まり、9,500万円で成約
成約価格 1億円 9,500万円
売却にかかった期間 約3か月 約9か月
基準価格スタートと高値スタートの価格推移を比べた当社試算の図。Aは基準価格に2%を上乗せした1億200万円で売り出し3か月で1億円で成約、Bは1億1,000万円で売り出して3か月ごとに1億500万円・1億円と値下げし、9か月で9,500万円で成約する経過を示している。基準価格は複数社の査定額の中央値で1億円とし、実際の値下げ幅や期間は物件・市況・販売活動によって異なる。結果を予測するものではなく、高値で設定した場合に生じうるコストを説明するための仮想例

図2:値下げのタイムライン試算(基準価格スタートAと高値スタートB・1億円例・当社試算)

この試算は当社の仮定によるもので、実際の値下げ幅や期間は物件・市況・販売活動によって異なります。ただし、構造としては、高値スタートは高く売れるとは限らず、十分な反響が得られない場合には値下げへ進むリスクがある、という点を押さえてください。

Bの場合、成約価格が500万円低くなるだけではありません。売却期間が6か月延びれば、その間の管理費・修繕積立金・固定資産税の負担が続き、住み替えであれば新居との二重負担が生じます。参考として、東日本レインズの公表資料では、首都圏の中古マンションが登録から成約に至るまでの日数は平均82.5日(2025年)です。この数値は販売期間を考える際の参考値であり、3か月前後での成約を目指すなら、その期間で反響が見込める価格かどうかを、査定の根拠とあわせて確認します。

媒介契約を結んだあとに注意したいこと

媒介契約を結んだあと、売主が注意したいのは次の3つです。高い査定額をきっかけに契約した場合に限らず共通する注意点です。

このうち放置と値下げの繰り返しは、高すぎる査定額を入口で見抜くことで避けやすくなります。囲い込みは査定額とは別の問題として、契約後も確認を続けてください。


査定額と手取りを、根拠つきで確かめたい方へ

「この査定額で売り出して、いくら手元に残るのか」は、査定額の高さではなく、実際の成約価格と、そこから差し引く仲介手数料などの費用で決まります。当社の査定では、想定販売期間と売り出し価格の考え方に加え、成約価格の見込みと仲介手数料をもとに、仲介手数料控除後の手取りの見込みまでご説明します。

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複数社の査定額はこう比べる|査定額以外の比較軸

複数社の査定額が出そろったら、金額の高さで並べるのではなく、中央値を基準に「なぜ差があるのか」を各社に聞き、根拠の質で比べます。この章では、何社に依頼するか、比べ方の手順、査定額以外に見るべき軸を整理します。

何社に依頼するか:3社が目安

査定を依頼する会社の数は、3社程度が目安です。2社でも中央値(2つの値の平均)は出せますが、片方だけが突出しているのかどうかを判断しにくいため、3社程度あると比べやすくなります。5社以上になると、訪問査定の対応や各社とのやり取りの負担が大きくなりやすく、比較が雑になりがちです。

一括査定サイトで多数の机上査定を集めた場合も、訪問査定に進むのは2〜3社に絞ります。絞る基準は、机上査定の金額ではなく、根拠の説明の丁寧さと、自分の物件タイプ(居住用マンション)を得意としているかどうかです。

比べ方の手順

  1. 査定額を並べて中央値を出す:3社なら真ん中の値、4社なら中央2社の平均。中央値は突出した査定額を見つけるための比較軸であり、売り出し価格そのものではない
  2. 中央値から離れている会社に、その理由を聞く:高い会社には「どの事例と補正でその金額になるのか」、低い会社には「どのリスクを見ているのか」
  3. 根拠の質を比べる:比較事例が同じマンション内か、時点修正の根拠があるか、想定販売期間を答えられるか
  4. 査定額以外の軸で選ぶ:販売戦略、レインズ登録と他社紹介への対応、報告の方法、仲介手数料

【比較表】査定額以外の比較軸

比較軸 確認すること なぜ重要か
根拠の明確さ 比較事例・時点修正・評点の説明があるか 根拠のない査定額は判断材料にならない
想定販売期間 その価格で、どのくらいの期間で売れる見込みか 「3か月以内」を答えられるかどうかで、査定額の現実性がわかる
販売戦略 広告の出し方、写真、内覧の受け方、他社からの紹介への対応 査定額が同じでも、売り方で成約価格は変わる
レインズ登録・取引状況の開示 契約の種類にかかわらずレインズに登録し、登録証明書を交付するか。専任媒介・専属専任媒介なら、登録証明書に記載のIDとパスワードで使う売主専用画面の案内があるか(一般媒介は東日本レインズの事務局への問い合わせで登録状況を確認できる) 囲い込みの抑止・発見につながり、他社の買主候補にも届く
仲介手数料 上限(売却価格×3%+6万円+消費税)か、それ以外の条件があるか 同じ成約価格でも、仲介手数料控除後の手取りが変わる
担当者の対応 質問への回答の速さと具体性、不利な点も含めて説明するか 売却期間中、二人三脚で進める相手になる

会社選びの7つの判断基準や、大手と地元の会社の見極め方は、不動産会社の選び方|売却で失敗しない7つの判断基準で詳しく解説しています。本記事では「査定額をどう読むか」に絞り、会社選びの全体は同記事に委ねます。


査定前の準備|必要書類・伝えるべき情報・やらなくてよいこと

査定の精度は、売主が用意する情報で変わります。書類と物件の情報を揃え、有利な点も不利な点も伝えることで、根拠のある査定額が出やすくなります。この章では、用意する書類、伝えるべき情報、そして査定前にやらなくてよいことを整理します。

用意する書類

書類 用途 手元にない場合
分譲時のパンフレット・間取り図 専有面積・間取り・仕様の確認 管理会社に確認
管理規約・使用細則 ペット・リフォームなどの制限の確認 管理会社に確認
管理費・修繕積立金の金額がわかる書類 月額と積立金の残高の確認 管理会社の総会資料
直近の固定資産税納税通知書 評価額と税額の確認 東京23区は都税事務所、それ以外の地域は市区町村で評価証明書等を取得
リフォーム・修繕の履歴 内装・設備の更新状況の確認 工事の見積書や領収書
住宅ローンの残高証明書 売却後の残債の確認(査定額には影響しないが、売却計画に必要) 金融機関に請求

すべて揃っていなくても査定は受けられますが、分譲時のパンフレットと管理費・修繕積立金の情報があると、机上査定の段階から精度が上がります。

登記識別情報通知書(旧権利証)は、査定の書類には含めていません。査定の段階で不動産会社に12桁の登記識別情報を開示する必要はなく、権利関係の確認は登記事項証明書で足ります。売却手続きに向けて手元にあるかどうかだけ確認し、通知書は第三者に見られないよう厳重に保管してください。手元にない場合でも、登記所からの事前通知や司法書士等による本人確認情報で登記できます(不動産登記法第23条)。早めに司法書士等に相談してください。

伝えるべき情報

査定額に反映されやすいのは、書類に載っていない次の情報です。

  • 階数・向き・角部屋・眺望:現地で確認できますが、机上査定の段階で伝えると、事例の選び方が変わります
  • リフォームの内容と時期:水回りの更新、床材の張り替えなど
  • 売却の理由と期限:住み替え、相続、転勤など。期限があるかどうかで、提案される売り出し価格と販売戦略が変わります
  • 希望価格とその背景:住宅ローンの残債や、新居の購入資金など。「いくら以上で売りたい」の理由を共有すると、現実的な計画を立てやすくなります

不利な点も伝える

眺望の障害、騒音、雨漏りや設備の不具合、過去の事故など、不利な点も査定の段階で伝えてください。

理由は2つあります。第一に、後から判明すると、そこで値下げ要因になり、場合によっては契約後の責任(契約不適合責任)の問題に発展します。第二に、不利な点を織り込んだ査定額と販売計画にしておくと、売り出し後に想定外の値下げ要因として表面化するリスクを抑えやすくなります。

やらなくてよいこと

  • 査定前のリフォーム:リフォーム費用がそのまま査定額に上乗せされることはほとんどありません。買主が自分の好みで内装を変えたいケースも多く、売却のためのリフォームは費用倒れになりやすい選択です。修繕が必要な箇所は、費用と査定額への影響を担当者に相談してから決めます
  • 過度な清掃・片付け:訪問査定で見られるのは、構造・管理状態・眺望・設備の状態です。通常の整理整頓で十分で、内覧前の準備とは分けて考えます

POINT 査定は「よく見せる場」ではなく、「正確に見てもらう場」です。有利な点も不利な点も出したうえで出てきた査定額が、売り出し価格の土台になります。


査定額から売り出し価格を決める|高く・早く売るための価格戦略

査定額が出そろったら、次は売り出し価格を決めます。査定額をそのまま使うのではなく、交渉余地、同じマンション内の売り出し中物件、想定販売期間、そして値下げの計画を先に決めたうえで設定します。この章では、査定額と売り出し価格の関係、販売が長期化すると値下げにつながりやすい理由、価格の決め方の手順、仲介手数料を含めた手取りの比較を整理します。

査定額と売り出し価格の関係:交渉余地は見込むが、上乗せしすぎない

仲介での売却では、買主から購入申込書が出る際に、価格交渉が入るのが一般的です。交渉に応じる余地を見込んで、査定額より少し高めに売り出すのは、実務上よく使われる方法です。「値下げをしたら住宅ローンを完済できない」という事情がある場合、交渉分を織り込んで売り出す方法はありますが、反響が得られる価格帯に収まっていることが前提です。希望額を確保できるかどうかは、査定の根拠と販売期間の見通しで確認します。

ただし、この「少し」の幅が問題です。買主は価格帯を絞って探すため、上乗せしすぎると検索から外れ、内覧が入りません。当社の実務上の目安では、相場の数%程度の上乗せなら交渉余地として機能しますが、1割を超えると「高すぎる売り出し価格」になりやすく、前章の試算Bのような経過をたどる可能性が高まります。上乗せの幅は、同じマンション内の売り出し中物件の価格と、想定販売期間を踏まえて、担当者と決めます。

販売が長期化すると値下げにつながりやすい理由

売却価格は物件の条件で決まる部分が大きいものの、「売れるまでにかかった時間」も価格に影響します。売り出し価格は販売活動の中で定期的に見直すのが基本で、買主が見つからなければ段階的に下げていくことになるからです。

売り出しから短期間で成約した物件と、長期間かかった物件では、結果的な成約価格に差が出やすくなります。前章で見たとおり、2026年8月度の首都圏中古マンション市場は在庫が増え、成約が減っている局面です。この環境では、最初の1〜2か月で一定の反響が得られるかどうかが、価格設定を見直す重要な判断材料になります。

売り出し価格の決め方:4つのステップ

  1. 複数社の査定額の中央値を基準にする:突出した1社の数字ではなく、中央値を比較のための「基準価格」と置く
  2. 同じマンション内・近隣の売り出し中物件を確認する:競合物件がある場合、その価格より高く出すなら、階数・眺望・内装で説明できる差が必要
  3. 想定販売期間を決める:3か月以内に売りたいのか、半年かけてもよいのか。期限があるなら、中央値を参考にしつつ、直近の成約単価と競合物件を優先して、期限内に反響が見込める価格かどうかを確認する
  4. 値下げの計画を先に決める:「反響がなければ1か月後に何%下げる」を、売り出し前に決めておく。場当たり的な値下げは、価格改定の履歴として買主に認識されることがある

手数料で差をつける:「高い査定額」と「高い手取り」は別物

「手取りを多くする」ために重要なのは、査定額の高さではなく、実際の成約価格と仲介手数料の組み合わせです。実際の手取りは印紙税・登記費用・譲渡所得税・住宅ローンの残債などにも左右されますが、ここでは同じ物件について、仲介手数料控除後の手取りを4つのケースで比べます。

グローバルトラスト不動産では、売主の仲介手数料が最大無料になる「ゼロチュー売却」を提供しています。当社が買主を見つけた場合(自社成約)は0円、他社が買主を見つけた場合は相場の約半額((売却価格×1.5%+6万円)×消費税)という設計です。

ケース 成約価格 仲介手数料 手取り(仲介手数料控除後)
A:基準価格で売り出し、上限の仲介手数料を支払う 1億円 336万6,000円(3%+6万円+消費税) 9,663万4,000円
B:基準価格で売り出し、ゼロチュー売却(他社経由・(売却価格×1.5%+6万円)×消費税) 1億円 171万6,000円 9,828万4,000円
B':基準価格で売り出し、ゼロチュー売却(自社成約) 1億円 0円 1億円
C:高値で売り出し、9か月後に値下げして成約、上限の仲介手数料を支払う 9,500万円 320万1,000円(3%+6万円+消費税) 9,179万9,000円
※手取りは仲介手数料のみを差し引いた金額です。印紙税・登記費用・譲渡所得税などの諸費用は含みません。仲介手数料の上限は、売却価格×3%+6万円+消費税(売買価格400万円超の場合の速算式)で計算しています。なお、売買価格800万円以下の低廉な空家等の媒介には、依頼者への事前説明と合意を条件に上限30万円+消費税とする特例があります(令和6年7月1日施行)。Cの成約価格は前章の当社試算によるものです。実際の差額は物件価格・成約経路・税金等により異なります。

査定額が1,000万円高い会社を選んでも、売れずに値下げすれば、仲介手数料控除後の手取りはAより480万円以上少なくなります(AとCの差)。一方、基準価格で売り出し、仲介手数料の条件で差をつければ、成約価格が同じでも、仲介手数料控除後の手取りは165万円から340万円近く変わります(AとB・B'の差)。「高い査定額」と「高い手取り」は別物です。仲介手数料の仕組みはマンション売却の仲介手数料が無料になる仕組み、価格帯別の早見表はマンション売却の仲介手数料の計算方法をご覧ください。

注意 仲介手数料の条件だけで会社を選ぶことも、おすすめしません。根拠のある査定、販売戦略、レインズ登録と他社紹介への対応が揃ったうえで、手数料の条件が加わる、という順番で考えてください。

買取という選択肢:期限を優先するなら

売却期限が迫っている、内覧の対応が難しい、といった事情がある場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も選択肢になります。買取価格は仲介で見込む成約価格より低くなるのが一般的で、その差は物件の状態や買取業者の販売見通しによって幅があります。そのぶん、短期間で現金化しやすく、仲介より売却の時期を見通しやすい方法です。買取査定と仲介査定の両方を出してもらい、差額と期間を比べて判断してください。買取の仕組みと注意点は、マンションの買取とは?仲介との違い・相場・流れで解説しています。


あなたのケースで考える4つの判断シナリオ

ここまでの内容を、売主の状況別に整理します。ご自身に近いシナリオから、査定の受け方と見極めの要点を確認してください。

POINT 4つのシナリオは、判断軸の整理であり、特定の方法を断定するものではありません。実際の進め方は、物件の条件、売却の期限、市況、住み替え先の状況などと組み合わせて、不動産会社と相談しながら決めることをおすすめします。

シナリオA:売るかどうか、まだ決めていない

AI査定や机上査定で相場観をつかみ、定点観測する段階です。 誰にも連絡せずに価格帯を知りたいならAI査定、同じマンション内の直近成約を踏まえた数字を知りたいなら机上査定を1〜2社に依頼します。訪問査定は、売却の方向が固まってからで構いませんが、「決めるために実際の見込額を知りたい」という段階で受けることもできます。数か月おきに同じ条件で確認し、価格の動きを見ておくと、売り時の判断材料になります。

シナリオB:住み替え・相続税の納付などで、売却の期限がある

訪問査定を2〜3社に同時に依頼し、想定販売期間を必ず聞きます。 期限がある場合、高値スタートで様子を見る余裕はありません。複数社の中央値を基準に、「3か月以内に売れる価格」を各社に答えてもらい、値下げの計画を売り出し前に決めます。期限までに売れなかった場合の買取の条件も、あわせて出してもらいます。住み替えで住宅ローンが残っている場合の進め方は、住宅ローンが残っているマンションは売れる?残債の確認と売却の流れで整理しています。

シナリオC:一括査定で、1社だけ突出して高い査定額が出た

その1社に、比較事例・時点修正・想定販売期間の3点を聞きます。 説明が事例と数字で返ってくるなら、その会社が他社と違う事例(同じマンション内の高層階の成約など)を見ている可能性があり、根拠として検討に値します。説明が「相場から」「営業力がある」で止まるなら、合理的な根拠が十分とはいえないため、その査定額は慎重に扱い、中央値や他社の根拠と比べて判断します。一括査定では査定額の高さが目につきやすいため、金額だけでなく根拠で比べてください。

シナリオD:相続した部屋・遠方に住んでいて、現地に行けない

机上査定で候補を絞り、鍵を預けて訪問査定を受けます。 相続した部屋は、管理費・修繕積立金の滞納の有無、大規模修繕の予定、管理規約の内容を、売主自身が把握していないことが多いため、訪問査定の際に管理会社への確認を依頼します。遠方の場合、内覧対応も不動産会社に任せることになるため、報告の方法(写真・書面・頻度)を査定の段階で確認しておきます。相続したマンションの売却の流れと税金は、相続したマンションを売却する流れで解説しています。


マンション査定に関するよくある質問

査定だけ受けて、売らなくてもよいですか?

問題ありません。査定を受けたからといって、その会社と媒介契約を結ぶ義務はなく、売却そのものをやめることも自由です。査定は「売るかどうかを決めるための材料」であり、複数社に依頼して比べることもできます。

査定は本当に無料ですか?後から費用を請求されませんか?

多くの不動産会社では、無料査定として提供されています。あわせて、宅地建物取引業法第34条の2第2項は、媒介契約における売買すべき価額について不動産会社が意見を述べる場合に根拠の明示を義務付けており、国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、その根拠を示すために行った査定等の費用は依頼者に請求できない、としています。有償の調査や不動産鑑定士の鑑定評価は別のサービスなので、費用が発生する場合は、何に対する費用かを事前に確認してください。

AI査定と机上査定はどう違いますか?

どちらも現地を見ない概算ですが、算出するのがアルゴリズムか、不動産会社の担当者かが違います。AI査定は担当者の営業判断が入りにくい一方、眺望・室内の状態・騒音などの個別事情は反映しにくく、階数や方角の反映度もサービスによって異なります。机上査定は担当者が事例を選ぶ範囲で個別事情を反映できますが、会社の意見である以上、営業上の意図が混じる余地があります。相場観をつかむにはAI査定、根拠を聞きながら比べるには机上査定、売り出し価格を決めるには訪問査定、という使い分けです。

査定額は、そのまま売れる金額ですか?

違います。査定額は「この期間で売れると見込む価格」についての不動産会社の意見であり、その金額で売れることを約束するものではありません。最終的な売却価格は、買主との交渉で決まります。査定額は売り出し価格を決める出発点として使い、根拠を確かめたうえで判断してください。

査定額が一番高い会社に頼めばよいですか?

おすすめしません。1社だけ突出して高い査定額は、根拠の裏付けがない上乗せである可能性があります。高値で売り出して売れずに値下げすれば、結果として基準価格(複数社の査定額の中央値)で売り出した場合より、仲介手数料控除後の手取りが少なくなることもあります。複数社の中央値を基準に、根拠(比較事例・時点修正・想定販売期間)を説明できる会社を選んでください。

査定前に、掃除やリフォームは必要ですか?

リフォームは不要です。リフォーム費用がそのまま査定額に上乗せされることはほとんどなく、買主が自分の好みで内装を変えたいケースも多いためです。掃除も、通常の整理整頓で十分です。訪問査定で見られるのは、構造・管理状態・眺望・設備の状態であり、「よく見せる」より「正確に見てもらう」ことが優先です。

査定にはどのくらい時間がかかりますか?

AI査定は数秒〜数分、机上査定は即日〜数日、訪問査定は依頼から結果の受け取りまで1〜2週間程度が目安です。訪問査定の現地確認そのものは、1時間前後で終わることが一般的です。複数社の訪問査定を同じ週にまとめると、比較しやすくなります。

査定額の根拠を教えてもらえない場合は、どうすればよいですか?

宅地建物取引業法第34条の2第2項は、媒介契約における売買すべき価額について不動産会社が意見を述べる場合に、根拠を明らかにすることを義務付けています。査定の段階でも同じ基準で説明を求めるのが妥当で、口頭でも書面でもよいとされているため、査定書がなくても、比較事例・時点修正・想定販売期間の説明を求めてください。それでも説明がない場合は、その査定額を判断材料から外し、根拠を説明できる他社の査定額で判断するのが安全です。


まとめ|査定額は「高さ」ではなく「根拠」で見極める

マンション査定の見極め方について、要点を整理します。

  • 査定額は「売れる価格」ではなく、不動産会社の意見です。 鑑定評価とは別のもので、その金額で売れることを約束するものではありません。査定は無料で提供されるのが一般的で、媒介契約における価額の根拠を示すために行った査定等の費用は依頼者に請求できないとされています
  • 査定方法は4種類。段階で使い分けます。 売るかどうか未定ならAI査定・机上査定、売却を決めたら訪問査定を2〜3社。一括査定は「各社の初期提示」として扱い、そこから絞ります
  • AI査定は都心マンションで使いやすい一方、眺望・室内の状態などの個別事情は反映されにくく、階数や方角の反映度もサービスによって異なります。 1億円帯では1%が100万円。相場の中心を知る道具として使い、売り出し価格は訪問査定で決めます
  • 査定額の中心は取引事例比較法です。 比較事例・時点修正・評点が根拠であり、査定書のこの3点を確認します
  • 査定額の根拠は、査定の段階から聞いてください。 宅地建物取引業法第34条の2第2項は、媒介契約における売買すべき価額について意見を述べる場合の根拠の明示を義務付け、根拠は「合理的なものでなければならない」とされています。査定額はその前提となる意見なので、同じ基準で7つの質問により根拠を引き出してください
  • 高すぎる査定額は、中央値からの乖離率・同一マンション内の成約単価・想定販売期間・値下げ前提の提案の根拠の4点で確かめられます。 高値スタートは高く売れるとは限らず、十分な反響が得られなければ値下げへ進むリスクがあり、2026年8月度の首都圏市場は在庫増・成約減の局面です(成約件数にはシステム改修の影響の可能性が注記されています)
  • 手取りを左右するのは、査定額の高さではなく、実際の成約価格と、そこから差し引く仲介手数料などの費用です。 高い査定額でも、実際の成約価格が伴わなければ手取りは増えません。同じ成約価格で比較すれば、仲介手数料が低いほど、仲介手数料控除後の手取りは増えます(印紙税・登記費用・譲渡所得税・住宅ローンの残債は別途考慮します)

査定額を「高さ」で選ぶと、根拠の伴わない査定額に振り回されかねません。「根拠」で選べば、売り出し価格の判断も、会社の見極めも、同じ軸でできます。


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グローバルトラスト不動産は、都心8区(渋谷区・港区・目黒区・千代田区・中央区・品川区・世田谷区・杉並区)に特化した売買仲介の専門会社として、査定の段階から根拠を添えてご説明します。

グローバルトラスト不動産の3つの強み

  1. 売主様の仲介手数料が最大無料(ゼロチュー売却)— 自社成約なら0円、他社経由でも(売却価格×1.5%+6万円)×消費税と相場の約半額
  2. 業界経験者のみのプロ集団 — 少数精鋭で、一件ごとに質の高い対応を
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「他社の査定額が妥当か知りたい」「売るかどうか決めるために見込額を知りたい」という段階でのご相談も歓迎しております。

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【この記事の監修者】

桝谷浩太 グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役

桝谷 浩太(ますや こうた) グローバルトラスト不動産株式会社 代表取締役 / 宅地建物取引士

東宝ハウス、三菱UFJ不動産販売、ソニー不動産(現SREホールディングス)にて居住用不動産の売買仲介営業を経験し、仲介部門社長賞・契約件数1位を連続受賞。業界経験18年。2017年にグローバルトラスト不動産株式会社を創業。不動産業界で問題となっている「囲い込み」を仕組みで解決するために、売却仲介手数料最大無料サービスに取り組むなど不動産業界の健全化を促進する活動をする。著書「初めてでも安心!失敗しない家の売り方・買い方」はAmazon不動産カテゴリにてベストセラー1位を獲得。

グローバルトラスト不動産株式会社 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-3-4 宅地建物取引業免許: 東京都知事免許(2)第100468号 所属: (公社)全国宅地建物取引業保証協会、(公社)東京都宅地建物取引業協会、(公財)東日本不動産流通機構


本記事で使用したデータの出典・集計方法

データ 出典 時点 集計方法
媒介契約書の記載事項「当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額」(第1項第2号)と、その価額・評価額について意見を述べるときの根拠の明示義務(第2項) 宅地建物取引業法 第34条の2第1項第2号・第2項(e-Gov法令検索) 2026年9月確認 条文を引用
意見の根拠(価格査定マニュアル・同種の取引事例等)、根拠は合理的なものでなければならない、口頭・書面の扱い、鑑定評価書でない旨の明記、査定に要した費用を依頼者に請求できないこと 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」第34条の2関係「媒介価額に関する意見の根拠の明示義務について」(公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会掲載版) 2026年9月確認 原文を引用
価格査定マニュアルの位置づけ(根拠を合理的に示す手法として開発されたツール。公益財団法人不動産流通推進センターが提供) 国土交通省 参考資料3「価格査定マニュアルの改訂経緯(一部抜粋)」 2026年9月確認 公表資料を引用
首都圏中古マンションの成約件数(3,180件・前年同月比マイナス10.5%)、成約㎡単価(81.60万円・同マイナス3.8%)、在庫件数(48,235件・同プラス8.2%)、在庫㎡単価(119.36万円)、東京都区部の成約件数(1,265件・同マイナス20.6%)と成約㎡単価(132.69万円・同マイナス0.3%)、2025年1月以降の成約登録適正化に伴うシステム改修が成約件数に影響を与えている可能性についての注記 公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」 2026年8月度(2026年9月10日公表) 公表数値を引用
首都圏中古マンションの登録から成約に至る日数(82.5日・前年比マイナス3.3%) 公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」 2025年(2026年9月確認) 公表数値を引用
仲介手数料の上限(売買価格×3%+6万円+消費税) 宅地建物取引業法に基づく国土交通省告示(昭和45年建設省告示第1552号/令和6年6月21日国土交通省告示第949号改正) 令和6年7月1日施行 公表情報を引用
不動産の価格を求める3手法(取引事例比較法・原価法・収益還元法) 国土交通省「不動産鑑定評価基準」 2026年9月確認 手法の分類を参照
登記識別情報を提供できない場合の代替措置(事前通知・資格者代理人による本人確認情報)、登記識別情報は本人だけが知っている情報であることが前提で厳重に保管すること 法務局「登記識別情報を紛失したのですが、どうしたらよいのですか?」(情報番号1311)・法務省「新不動産登記法Q&A」Q18・不動産登記法第23条 2026年9月確認 公表情報を引用
東京23区の固定資産に関する証明書の申請窓口(都税事務所) 東京都主税局「固定資産(土地・家屋)の証明・閲覧に関するQ&A」 2026年9月確認 公表情報を引用
不動産取引価格情報の加工(所在地は町・大字レベル、取引価格は有効数字2桁) 国土交通省「不動産取引価格情報提供制度」 2026年9月確認 公表情報を引用
低廉な空家等(売買価格800万円以下)の媒介報酬の特例(上限30万円×1.1・依頼者への事前説明と合意・令和6年7月1日施行) 公益財団法人不動産流通推進センター「低廉な空家等の売買等の媒介報酬の特例(改正)」(国土交通省告示第7条) 2026年9月確認 公表情報を引用
専任媒介・専属専任媒介の登録証明書に記載のIDとパスワードで使う売主専用画面(売却依頼主用物件確認画面)、一般媒介は機構事務局への問い合わせで登録状況を確認できること 公益財団法人 東日本不動産流通機構「媒介契約制度」 2026年9月確認 公表情報を引用
値下げのタイムライン試算、1億円の物件における手取り比較 上記の公表数値と告示に基づく当社試算 2026年9月 当社推計
ゼロチュー売却の手数料(自社成約0円/他社成約は相場の約半額=(売却価格×1.5%+6万円)×消費税) グローバルトラスト不動産株式会社 2026年9月時点 自社サービスの条件

【最終更新日】 2026年9月25日


【免責事項】 本記事はマンション査定に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の物件の査定額や売却価格を保証するものではありません。記載の試算は本記事作成時点の公表情報と当社の仮定に基づくものであり、実際の査定額・成約価格・売却期間は、物件の条件・市況・販売活動によって異なります。法令の記述は本記事作成時点のものです。個別の契約や紛争については、都道府県の宅地建物取引業所管窓口、弁護士等の専門家にご相談ください。


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