マンションご売却
2026/07/31
買換え特例と3,000万円控除はどちらを選ぶ?1億円超・住宅ローン控除の注意点
マイホームを売って新しいマイホームに買い換えるとき、「特定の居住用財産の買換え特例」という選択肢があります。しかし、この特例には売却代金が1億円以下という上限があり、当社が対応する都心8区では、そもそも使えない方が相応にいらっしゃいます。
本記事は、住み替えを予定している方、そして売却代金が1億円を超える方に向けて、買換え特例の仕組みと落とし穴、3,000万円特別控除との選択、住宅ローン控除との併用(6年ルール)を、条文と国税庁の公表情報を根拠に整理します。本記事に登場する税務上の数値・要件は、すべて出典と基準日を明記しています。
要点を先にお伝えすると、買換え特例と3,000万円特別控除は二者択一です(併用できません)。しかも買換え特例は非課税ではなく「課税の繰延べ」で、売却代金が1億円を超えると使えません。都心の1億円帯では、買換え特例が最初から選べず、要件を満たせば「3,000万円特別控除+軽減税率」が現実的な選択肢になる方が少なくありません。
なお、3,000万円特別控除そのものの適用判定(使える条件・使えないケース)は判定編使える条件・使えないケース、税額の計算方法は税額編マンション売却の税金はいくら?にまとめています。
3,000万円特別控除とは、マイホームを売却したときに譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度です(措法35条1項・国税庁No.3302)。所有期間の要件はなく、10年超所有なら軽減税率の特例と併用できます。
【この記事でわかること】
- 売却代金が1億円を超えると買換え特例が使えなくなる境界線
- 1億円は「その1回の売却」だけでは判定されない(最大5年間の合算・修正申告義務)
- 買換え特例が「非課税」ではなく「課税の繰延べ」である仕組み
- 3,000万円特別控除と買換え特例のどちらを選ぶか
- 令和8年度税制改正で買換え特例が令和9年12月31日まで延長された経緯と、国税庁のページが古い期限のままである理由
- 住宅ローン控除と併用できない「6年ルール」
- 買換え特例の必要書類
目次(クリックで開く)
章別
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【最重要】売却代金が1億円を超えると買換え特例は使えない
まず、住み替えを検討する多くの方に関わる「1億円」という分かれ目から解説します。
マイホームの買い換えには「特定の居住用財産の買換え特例」(措法36条の2)という選択肢があります。次章で詳しく解説しますが、この特例には売却代金が1億円以下であることという上限が設けられています。
条文は「一億円を超えるものを除く」と定めている
租税特別措置法36条の2は、買換え特例の対象となる譲渡資産について、次のように定めています。
当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額が一億円を超えるもの、当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするもの(中略)を除く
(租税特別措置法36条の2第1項/e-Gov法令検索・2026年7月17日取得。「(中略)」の部分には、他の特例の適用を受けるものや贈与・交換によるものなど、別の除外事由が列挙されています)
国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」でも、適用要件の一つとして「売却代金が1億円以下であること」が挙げられています。
1億円ちょうどであればこの要件では除外されず、1億円を1円でも超えると対象外になります。第1項が定めるこの上限は金額による線引きであり、売却の事情による例外は設けられていません(ただし後述するとおり、前後の年の譲渡との合算では、収用交換等による譲渡が対象から除かれます)。
ただし、1億円以下であれば使えるという意味ではありません。1億円は除外されないための条件の一つにすぎず、所有期間・居住期間などの要件は別途満たす必要があります(要件の全体像は「買換え特例との比較と併用不可の理由」で整理します)。
注意
1億円の判定は「売却代金」に対して行われます。譲渡所得(利益)ではありません。取得費や仲介手数料を差し引いた後の金額ではなく、売却価格そのもので判定される点にご注意ください。たとえば1億2,000万円で売却し、譲渡所得が2,000万円しかない場合であっても、買換え特例は使えません。
また、売買契約書に書かれた金額だけで決まるとは限りません。 引渡日以降の固定資産税・都市計画税を買主から精算金として受け取った場合、その額は譲渡価額(収入金額)に算入されます(国税庁「No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」)。売買代金が9,900万円台のときは、精算金を加えると1億円を超えることがあります。1億円前後になりそうな場合は、精算金を含めた金額で税理士にご確認ください。
都心マンションの売却では、対象外になる方が相応にいます
当社が対応する都心8区では、1億円を超える取引が珍しくありません。つまり、買換え特例をそもそも選べないお客様が相応の割合でいらっしゃいます。
不動産売却の税金を解説する記事の多くは、3,000万円特別控除と買換え特例を並列の選択肢として紹介します。しかし1億円を超える価格帯では、その前提が崩れます。買換え特例という選択肢が、最初から外れるためです(残る「3,000万円特別控除+軽減税率」も、各要件を満たす場合に使えます)。
1億円は「その1回の売却」だけでは判定されません——最大5年間の合算
ここが最も見落とされやすい点です。措法36条の2は、1億円の判定を、その1回の譲渡だけで完結させていません。譲渡資産と一体として居住の用に供されていた家屋や土地を前後の年に売却している場合、その対価を合算すると定めています。
判定の対象期間は、前々年から翌々年までの最大5年間(前々年・前年・当年・翌年・翌々年)に及びます。
- 過去側(同条第3項):譲渡した年・前年・前々年に、譲渡資産と一体として居住の用に供されていた家屋・土地を譲渡している場合、その対価を合算し、合計が1億円を超えれば適用しない
- 将来側(同条第4項):譲渡した年の翌年・翌々年に同様の譲渡をした場合も合算し、合計が1億円を超えることとなったときは適用しない
ただし、前後の年の譲渡がすべて合算されるわけではありません。公共事業のために土地等が買い取られる場合など(収用交換等による譲渡)は、合算の対象から除かれます。
条文の原文を読む(クリックで開く)
過去側——前年・前々年の譲渡と合算する(措法36条の2第3項)
第一項(中略)の規定は、譲渡資産の譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年又はその年の前年若しくは前々年に、当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡(第三十三条の四第一項に規定する収用交換等による譲渡その他の政令で定める譲渡を除く。以下この項及び次項において「前三年以内の譲渡」という。)をしている場合において、当該前三年以内の譲渡に係る対価の額と当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額との合計額が一億円を超えることとなるときは、適用しない。
将来側——翌年・翌々年の譲渡でも合算する(同条第4項)
(出典:e-Gov法令検索/2026年7月17日取得)第一項の規定は、譲渡資産の譲渡をした個人が、当該譲渡をした日の属する年の翌年又は翌々年に、当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡(収用交換等による譲渡を除く。)をした場合において、当該家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利の譲渡に係る対価の額と当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額(前三年以内の譲渡がある場合には、前項の合計額)との合計額が一億円を超えることとなつたときは、適用しない。
注意
特にご注意いただきたいのが将来側(第4項)です。売却した年に買換え特例を使って確定申告を終えていても、その翌年または翌々年に、一体として使っていた土地などを売って合計が1億円を超えると、買換え特例は適用されなかったことになります。
この場合、措法36条の3第3項により、第4項に該当することとなった譲渡(=翌年・翌々年に行ったほうの売却)をした日から4か月を経過する日までに修正申告書を提出し、その期限内に税額を納付しなければならないと定められています。起算点は当初の売却日ではなく、あとから行った売却の日です。申告が済んだ時点で確定する、という制度ではありません。
たとえば、自宅の敷地を分けて一部を先に売り、翌年に建物と残りの敷地を売る——といった売り方をした場合、合算の対象になり得ます。都心の物件では、この合計が1億円を超えることは十分に起こります。
プロのアドバイス
売り方を分けること自体が問題なのではありません。買換え特例を使うつもりなら、前々年から翌々年までの売却計画まで含めて考える必要があるということです。当社がご相談の際に「他にご売却のご予定はありませんか」と伺うのは、このためです。
ただし、どの譲渡が「一体として居住の用に供されていた」ものに当たるかの線引きは、個別の判断になります。買換え特例をご検討で、前々年から翌々年までの間に他の不動産を売る(売った)ご予定がある場合は、その売却の一覧(時期・物件・金額)を持って税理士にご相談ください。
なお、共有名義の物件を共有者それぞれが譲渡した場合、1億円を超えるかどうかは原則として各共有者が受け取る譲渡対価ごとに判定します(国税庁 租税特別措置法関係通達 36の2-6の2「譲渡に係る対価の額が1億円を超えるかどうかの判定」)。ただし、家屋とその敷地の所有者が異なり、両者がともに買換え特例の適用を受ける場合などは、家屋と土地の譲渡価額を合計して判定する取扱いもあります。共有持分や家屋・敷地の所有関係によって判断が変わるため、登記事項証明書(持分割合がわかるもの)を持って税理士にご相談ください。
「使えない」ことは、必ずしも不利ではありません
買換え特例が使えないと聞くと不利に感じられるかもしれませんが、そうとは限りません。理由は2つあります。
第一に、買換え特例は非課税制度ではなく、課税の繰延べ制度です(詳細は次章)。買い換えた物件を将来売却するときの取得価額は、措法36条の4により、元の物件(譲渡資産)の取得価額等をもとに計算されます。実際に支払った購入価額が、そのまま取得費になるわけではありません。取得費が低いまま将来の売却を迎えるため、そのときに繰り延べられた分もあわせて課税されます。税負担そのものが消えるわけではありません。
第二に、3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、それぞれの要件を満たせば併用できます。買換え特例とはどちらか一方しか選べないため、買換え特例を使わない場合はこちらが選択肢になります。税額編で解説したとおり、この組み合わせでは、課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分の税率が14.21%まで下がります(6,000万円を超える部分は20.315%のままで、軽減効果は366万3,000円が上限です。詳細は税額編軽減税率の特例)。しかも、その売却で課税関係が完結します。買換え特例のように、将来の税制改正や物件価格の変動を抱え込むこともありません。
ただし、買換え特例を使わないことが、これらの特例を自動的に使えることを意味するわけではありません。3,000万円特別控除には居住実態や売却相手などの要件があり、軽減税率には「売った年の1月1日において所有期間が10年を超えていること」という要件があります。ご自身が要件を満たすかどうかは、判定編の判定表でご確認ください。
注意
3,000万円特別控除は「3年に1度」が原則です。 ある年の売却でこの特例を使うと、その翌年・翌々年に売却した別のマイホームには原則として適用できません(「売った年の前年・前々年にこの特例を受けていないこと」が要件として定められているためです。結果として、実質的におよそ3年に1度しか使えません。判定編の判定表・国税庁 No.3302)。住み替えで近いうちにもう一件マイホームを売るご予定がある方は、どちらの売却で3,000万円特別控除を使うのが有利かが変わります。契約スケジュールを決める前に、次章以降の譲渡年の選択もあわせて税理士へご相談ください。
POINT
1億円を超える売却では買換え特例を使えないため、それぞれの要件を満たす限りにおいて、「3,000万円特別控除+軽減税率」が現実的な選択肢になります。次章で両制度を比較しますが、どちらが有利かは譲渡所得の大きさと将来の売却予定によって逆転します。本記事は制度の違いを整理するものであり、選択を推奨するものではありません。最終的な判断は、必ず税理士にご相談ください。
買換え特例との比較と併用不可の理由
マイホームを売って新しいマイホームに買い換える場合、「特定の居住用財産の買換え特例」(措法36条の2)という選択肢があります。国税庁のタックスアンサーは「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」です。
なお条文では、売る家を「譲渡資産」、買う家を「買換資産」と呼びます。以下でもこの呼び方を使います。
買換え特例は「非課税」ではなく「課税の繰延べ」
最も重要な点から述べます。買換え特例は税金が免除される制度ではありません。課税を将来に繰り延べる制度です。
条文(措法36条の2第1項)の仕組みはこうです。譲渡資産の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額以下である場合は譲渡がなかったものとされ、収入金額が取得価額を超える場合は、その超える部分について譲渡があったものとされます。つまり、売却額以上の物件に買い換えれば、その時点では課税されません。
では、その課税はどこへ行くのか。答えは措法36条の4にあります。同条は、買換え特例を使った場合、将来その買換資産を売るときの取得価額を、元の譲渡資産の取得価額等をもとに計算すると定めています。
つまり、買換資産の取得価額は、実際に支払った購入価額そのものにはなりません。元の物件の(多くの場合は低い)取得価額が、計算の基礎として残るためです。取得費が低いまま将来の売却を迎えるため、そのときの譲渡所得が大きくなり、繰り延べられていた利益もあわせて課税される——これが「課税の繰延べ」の実際の姿です。
買換資産の取得価額の計算(3区分)を見る(クリックで開く)
【比較表1】買換え特例を使った場合の「買換資産の取得価額」
措法36条の4は、売却額(譲渡による収入金額)と買換資産の取得価額との大小に応じて、次の3区分を定めています。
| 買い換えの内容 | 将来の売却時に使われる「買換資産の取得価額」 |
|---|---|
| 売却額より高い物件に買い換えた(収入金額<取得価額) | 元の譲渡資産の取得価額等に、満たない額(買い増した分)を加算した金額 |
| 売却額と同額の物件に買い換えた(収入金額=取得価額) | 元の譲渡資産の取得価額等に相当する金額 |
| 売却額より安い物件に買い換えた(収入金額>取得価額) | 元の譲渡資産の取得価額等のうち、超える額に対応する部分以外の部分の額(政令の定めにより計算) |
取得価額の正確な計算は個別性が高いため、本記事では買い換え後の税額の試算は行いません。買換え特例をご検討の場合は、将来その物件を売る可能性があるかどうかも含めて税理士にご相談ください。
注意
買換え特例は「税金がかからない制度」ではありません。将来の売却時に課税が発生します。3,000万円特別控除が「課税対象となる譲渡所得を減らす」制度であるのに対し、買換え特例は「課税の時期を先送りする」制度です。この違いは、どちらを選ぶかの判断で決定的に重要です。
買換え特例の主な要件
国税庁 No.3355 および措法36条の2の条文から、売却側・購入側の主な要件を整理します。
売却する資産(譲渡資産)の要件
- 売却代金が1億円以下であること(条文原文:「当該譲渡資産の譲渡に係る対価の額が一億円を超えるもの…を除く」/詳細は「【最重要】売却代金が1億円を超えると買換え特例は使えない」)
- 居住期間が10年以上であること
- 売った年の1月1日において所有期間が10年を超えていること
- 特別の関係がある者への譲渡でないこと
買い換える資産(買換資産)の要件
- 売った年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること(取得の時期)
- 床面積が50㎡以上であること
- 敷地面積が500㎡以下であること
- 耐火建築物の中古住宅の場合、取得の日以前25年以内に建築されたもの、または一定の耐震基準を満たすものであること
- 新築住宅(建築後に使用されたことのない家屋)に買い換える場合は、省エネ基準を満たすなど別途の要件があります(本記事は中古マンションへの住み替えを想定しています。令和8年度改正で加わったハザードエリアの要件も新築の場合の話で、令和8年度税制改正で変わったことで触れます)
入居期限
- 売った年かその前年に取得したときは、売った年の翌年12月31日まで
- 売った年の翌年に取得したときは、取得した年の翌年12月31日まで
3,000万円特別控除との併用はできない
買換え特例と3,000万円特別控除は併用できません。根拠は措法36条の2の条文にあります。
条文は、買換え特例の適用について「当該個人がその年又はその年の前年若しくは前々年において…第三十五条第一項(同条第三項の規定により適用する場合を除く。)…の規定の適用を受けている場合を除き」と定めています。つまり、35条1項(3,000万円特別控除)の適用を受けている場合は、買換え特例を適用できません。
なお、括弧書きの「同条第三項の規定により適用する場合を除く」という部分は、35条3項=空き家特例が別扱いであることを意味します。空き家特例と35条1項は、条文上区別されています。
また、同じ条文は31条の3第1項(軽減税率の特例)についても同様に除外の対象としています。したがって、買換え特例を選ぶと、3,000万円特別控除だけでなく軽減税率の特例も使えません。買換え特例は「3,000万円特別控除+軽減税率」のセットと二者択一になる、と理解しておくのが実務的です。
【比較表2】3,000万円特別控除と買換え特例の違い
| 項目 | 3,000万円特別控除(措法35条1項) | 買換え特例(措法36条の2) |
|---|---|---|
| 効果 | 譲渡所得から最高3,000万円を控除 | 課税を将来に繰り延べ(非課税ではない) |
| 将来の課税 | 繰り延べられる税額なし(その売却で課税関係が完結) | あり(買換資産の売却時に課税) |
| 所有期間の要件 | なし | 売った年の1月1日で10年超 |
| 居住期間の要件 | なし | 10年以上 |
| 売却代金の上限 | なし | 1億円以下 |
| 買換えの要否 | 不要 | 必要 |
| 軽減税率との併用 | 〇(重ねて受けられる) | ×(条文上、除外) |
| 相互の併用 | ×(両者は併用不可) | ×(同左) |
| 適用期限 | 期限の定めなし | 令和9年12月31日まで(令和8年度税制改正後) |
プロのアドバイス
どちらを選ぶかは、譲渡所得の大きさと、買い換えた物件を将来売る予定があるかで変わります。譲渡所得が3,000万円以下で、3,000万円特別控除により課税譲渡所得が0円となる場合は、買換え特例による課税の繰延べを残さずに済む可能性があります。一方、譲渡所得が大きく、かつ買換資産を長期保有する予定であれば、繰延べに意味が出る場面もあります。ただし、この判断は将来の税制・売却時期・物件価格という不確定要素を含み、新居で住宅ローン控除を使う場合との比較も関わります。どちらが有利かの結論は個別事情によって逆転するため、必ず税理士にシミュレーションを依頼してください。本記事は制度の違いを整理するものであり、どちらを選ぶべきかを推奨するものではありません。
令和8年度税制改正で変わったこと
買換え特例は、令和8年度税制改正で適用期限が令和9年12月31日まで2年延長されました(措法36の2①②、36の5)。財務省『令和8年度税制改正の解説——租税特別措置法等(所得税関係)の改正——』(PDF・270ページ)に「本特例の適用期限(令和7年12月31日)が令和9年12月31日まで2年延長されました」と明記されています(改正法は令和8年3月31日公布・令和8年法律第12号)。
あわせて、令和8年1月1日以後に譲渡した資産について、新築の家屋(建築後使用されたことのない家屋)に買い換え、かつその家屋に令和10年1月1日以後に居住する(またはその見込みの)場合に限り、災害危険区域等(いわゆるハザードエリア)に関する要件が加わり、物件がそうした区域内に建築されたものでないことを証明する「立地要件証明書」の提出が必要になる場合があります。建築後に使用されたことのある中古マンションへの買換えには、この新設された立地要件は適用されません。
注意
2026年7月時点で、国税庁 No.3355 には、改正前の「令和7年12月31日」という期限が表示されています。これには理由があります。
国税庁のページには「令和7年4月1日現在法令等」という基準日が明記されています。その時点の法令に基づいて作成されたページであるため、その後に成立した改正が反映されていない、というのが正確な理解です。タックスアンサーを読むときは、本文より先に基準日を確認する習慣をつけると、情報の鮮度をご自身で判断できるようになります。
買換え特例の延長(令和9年12月31日まで2年延長)は、成立した改正法(令和8年法律第12号)にもとづく財務省「令和8年度税制改正の解説」(前掲・270ページ)で確認できます。条文そのものを確認したい場合は、e-Gov法令検索で租税特別措置法36条の2の最新の内容をご覧ください。適用期限の最終的な確認は、税務署または税理士にご相談ください。
なお、本記事のもう一方の主題である3,000万円特別控除(措法35条1項)については、令和8年度税制改正による主要な制度変更は確認していません(最終的な確認は税理士または最新の法令にてお願いします)。

住宅ローン控除との併用(6年ルール)
マイホームを売って新しいマイホームを買い、住宅ローンを組む場合、3,000万円特別控除・軽減税率の特例・買換え特例と、住宅ローン控除は、原則として併用できません。正確には、これらの特例を一定の期間内(次に述べる6年間)に受けていると、住宅ローン控除が使えなくなる、という制限です。
国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和7年4月1日現在法令等)の原文では、住宅ローン控除の要件として次のように定められています。
居住年およびその前2年、その後3年の計6年間(令和2年3月31日以前の譲渡の場合は、居住年およびその前後2年の計5年間)に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。
そして、この「次に掲げる譲渡所得の課税の特例」には、本記事で扱う特例が次のように含まれています。
- 軽減税率の特例(措法31条の3第1項)
- 3,000万円特別控除(措法35条1項)
- 買換え特例(措法36条の2)
つまり、新居に入居した年とその前2年・その後3年の計6年間のうちいずれかでこれらのいずれかの特例を受けていると、住宅ローン控除は使えません。逆に、住宅ローン控除を受けたいのであれば、この6年間はこれらの特例を使えないことになります。
注意
「令和2年3月31日以前の譲渡の場合は、居住年およびその前後2年の計5年間」という例外が原文に併記されています。現在の売却を検討している方には通常関係しませんが、過去の譲渡が絡む場合は年数の数え方が変わります。現行の6年間の説明と混同しないようご注意ください。
各特例の併用可否の全体像は、判定編の「併用可否 早見表」にまとめています。
どちらを選ぶか——比較の考え方
住み替えを予定されている方は、「売却時に3,000万円特別控除(+軽減税率)を使う」か「新居で住宅ローン控除を使う」かの選択になります。どちらが有利かは、譲渡所得や借入額の大小だけでは決まりません。次の手順で、両方の税額・控除額を実際に試算して比較してください。
- 3,000万円特別控除(+軽減税率)を選ぶ場合:特例を適用した場合と適用しない場合の譲渡所得税・住民税をそれぞれ計算し、減少額を確認します。税額編の税額の概算シートで、控除を使う場合の税額(⑨×⑩)と使わない場合の税額(⑧×⑩)を出し、その差額を求めます。
- 住宅ローン控除を選ぶ場合:新居の入居年・住宅区分・年末ローン残高・控除期間と、実際に納める所得税・住民税額を反映して、受けられる控除額を試算します(国税庁 No.1211-1)。なお、住宅ローン控除は令和8年度税制改正で適用期限が令和12年12月31日まで延長され、令和8年から令和12年までの間に入居する場合の借入限度額等も改正されています。No.1211-1は「令和7年4月1日現在法令等」を基準としたページのため、令和8年以降の控除額を試算する際は、財務省の令和8年度税制改正資料または更新後の国税庁情報をご確認ください。
注意
「譲渡所得が3,000万円以上か」「借入額が大きいか」といった単純な基準だけでは比較できません。たとえば譲渡所得が3,000万円を下回っていても、課税がほぼ消えるなら減税額が数百万円になることもあります。住宅ローン控除の効果も、借入額や返済期間だけでなく、入居年・住宅区分・年末残高・実際の納税額によって変わります。売却・購入の契約前に、税理士へ両方のケースの試算を依頼してください。
プロのアドバイス
重要なのはタイミングです。売却・購入・入居のスケジュールを決める前にご相談ください。契約や入居の時期が確定した後では、各特例の要件を満たすようスケジュールを組み直せない場合があります。 当社にご相談いただく場合も、住み替えのご予定があるかを最初にお伺いしているのはこのためです。

買換え特例の必要書類
買換え特例は、確定申告をしなければ適用されません。3,000万円特別控除や軽減税率の特例に比べて、必要書類が特に多岐にわたります。売却した年の翌年に確定申告を行います。
【必要書類の一覧(買換え特例)】
| 書類 | 買換え特例 |
|---|---|
| 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用] | ○ |
| 売った居住用家屋やその敷地の登記事項証明書(所有期間10年超を明らかにするもの) | ○ |
| 売った資産が居住用財産に該当する事実を記載した書類 | ○ |
| 買い換えた資産の登記事項証明書や売買契約書の写し(取得と面積を明らかにするもの) | ○ |
| 売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの | ○ |
| 戸籍の附票の写し等 | 場合により |
出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」(従来の適用要件・必要書類/令和7年4月1日現在法令等)、財務省「令和8年度税制改正の解説 — 租税特別措置法等(所得税関係)の改正」270ページ(新設された立地要件・「立地要件証明書」/令和8年3月国土交通省告示第475号)注意
上記のほか、買い換える物件に応じて次のような書類が必要です(国税庁 No.3355。ただし「立地要件証明書」は令和8年度税制改正で新設されたもので、同ページには記載がありません)。
- 中古住宅に買い換える場合:取得の日以前25年以内の建築であることを明らかにする書類、または耐震基準適合証明書等
- 新築住宅に買い換える場合:建築確認や住宅性能を示す書類(さらに、令和8年1月1日以後の譲渡で、建築後使用されたことのない住宅に買い換え、令和10年1月1日以後に入居する場合は、災害危険区域等に関する「立地要件証明書」が必要になる場合があります)
- 確定申告の時点でまだ買換資産に住んでいない場合:住み始める予定年月日などを記載した書類
買換え特例をご利用の場合は、必要書類の確認だけでも早めに税理士にご相談ください。
POINT
なお、3,000万円特別控除・軽減税率の特例を使う場合の必要書類(登記事項証明書の添付省略の方法を含む)は、判定編の確定申告の手続きと必要書類で解説しています。買換え特例を使わず、3,000万円特別控除で申告する方はそちらをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 買換え特例を使えば税金はかからないのですか?
いいえ、買換え特例は非課税ではなく課税の繰延べです(措法36条の2)。売却額以上の金額の物件に買い換えた場合はその時点で課税されませんが、買い換えた物件を将来売却するときに繰り延べられた分が課税されます。また、売却代金1億円以下という上限があり、3,000万円特別控除・軽減税率の特例とは併用できません。
Q2. 国税庁のページに「令和7年12月31日まで」と書いてあります。買換え特例はもう使えないのですか?
令和8年度税制改正により、適用期限は令和9年12月31日まで2年延長されています(措法36の2①②、36の5/財務省「令和8年度税制改正の解説」270ページ、令和8年法律第12号)。国税庁 No.3355 が古い期限のままなのは、同ページが「令和7年4月1日現在法令等」を基準に作成されているためです。タックスアンサーを読む際は、本文の前に基準日をご確認ください。適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。
Q3. 共有名義の場合、1億円は持分ごとに判定しますか?
原則として、各共有者が受け取る譲渡対価ごとに1億円を超えるかどうかを判定します(国税庁 租税特別措置法関係通達 36の2-6の2)。ただし、家屋とその敷地の所有者が異なり、両者がともに買換え特例の適用を受ける場合などは、家屋と土地の譲渡価額を合計して判定する取扱いもあります。共有持分や所有関係によって変わるため、登記事項証明書を持って税理士にご確認ください。
Q4. 固定資産税の精算金も1億円判定に含まれますか?
含まれます。引渡日以降の固定資産税・都市計画税を買主から精算金として受け取った場合、その額は譲渡価額(収入金額)に算入されます(国税庁 No.3214)。売買代金が9,900万円台でも、精算金を加えると1億円を超えることがあります。1億円前後になりそうな場合は、精算金を含めた金額でご確認ください。
Q5. 売却と購入が別の年になっても買換え特例は使えますか?
使える場合があります。買換資産は、売った年の前年から翌年までの3年の間に取得することが要件です(国税庁 No.3355)。売却と購入が別の年になっても、この期間内であれば対象になり得ます。また契約日と引渡日が年をまたぐ場合は、譲渡年を選択できるケースもあります(No.3102)。スケジュールが要件に合うか、事前に税理士にご確認ください。
まとめ
住み替え・1億円超のマンション売却について、買換え特例を中心に、条文と国税庁の公表情報から確認できたことを整理します。
売却代金が1億円を超えると、買換え特例は使えません。判定は「売却代金」に対して行われ、譲渡所得(利益)ではありません(措法36条の2第1項)。しかも1億円は1回の売却だけで判定されず、前々年から翌々年までの最大5年間に、一体として居住していた家屋・土地を売却した対価を合算します。翌年・翌々年の売却で合計が1億円を超えると、いったん受けた買換え特例が事後的に否定され、修正申告が必要になります(同条第3項・第4項、36条の3第3項)。
買換え特例は「非課税」ではなく「課税の繰延べ」です。将来その物件を売るときの取得価額が、元の物件の取得価額をもとに計算されるため、繰り延べられた利益はそのときに課税されます(措法36条の4)。3,000万円特別控除が「課税対象となる譲渡所得を減らす」制度であるのに対し、買換え特例は「課税の時期を先送りする」制度です。
買換え特例と3,000万円特別控除は二者択一です。措法36条の2の条文が、35条1項(3,000万円特別控除)と31条の3第1項(軽減税率の特例)の適用を受けている場合を除外しているためです。1億円超では買換え特例が使えないため、都心の1億円帯では「3,000万円特別控除+軽減税率」が現実的な選択肢になる方が少なくありません。
住宅ローン控除とは、原則として併用できません。新居に入居した年と、その前2年・その後3年を合わせた計6年間のあいだに3,000万円特別控除などを受けている場合、住宅ローン控除は適用できません(国税庁 No.1211-1)。裏を返せば、この6年間に当たらなければ併用の余地があります。住み替えを検討されている方は、売却前の段階で「売却時に3,000万円特別控除を使う」か「新居で住宅ローン控除を使う」かを比較しておく必要があります。
なお、売買契約日と引渡日が年をまたぐ場合、譲渡所得をどちらの年分として申告するかを選べることがあります(国税庁 No.3102/判定編の「申告のタイミング」で解説しています)。特例を受ける年が変われば、この6年間に当たるかどうかも変わり得ます。住み替えのスケジュールを決める前に、税理士にご確認ください。
買換え特例の適用期限は令和9年12月31日まで延長されました。国税庁 No.3355 の記載が令和7年12月31日のままなのは、同ページが「令和7年4月1日現在法令等」を基準に作成されているためです。税務情報を確認するときは、基準日を先に見る習慣が役立ちます。
なお、そもそも3,000万円特別控除が使えるかどうかの判定は判定編使える条件・使えないケースを、控除を使った場合の税額の出し方は税額編マンション売却の税金はいくら?をご確認ください。
次の行動チェック
| タイミング | やること |
|---|---|
| 住み替えを検討し始めたら | 売却・購入・入居のスケジュールを決める前に相談する(契約や入居時期が確定した後では、選択肢が狭まる場合があります) |
| 売却代金が1億円前後になりそうなら | 前々年〜翌々年に他の不動産を売る予定がないか確認する(最大5年間の合算に該当し得ます) |
| 買換え特例を検討するなら | 将来その物件を売る可能性まで含めて税理士に試算を依頼する(課税の繰延べのため) |
| 新居で住宅ローン控除を使いたいなら | 6年ルールにより特例と併用できないため、どちらが有利かを比較する |
| 控除が使えるか・税額が未確認なら | 判定編の判定表・税額編の概算シートを確認する |
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の適用可否・税額については、必ず税務署または税理士にご相談ください。
グローバルトラスト不動産にご相談ください
売却代金が1億円を超える住み替えでは買換え特例を利用できないため、各要件を満たす場合の「3,000万円特別控除+軽減税率」と、新居の住宅ローン控除を比較した資金計画が重要になります。当社は渋谷区を拠点に、都心8区の居住用不動産の売買仲介を専門とし、1億円前後・1億円超の価格帯の取扱実績があります。
- 売主様の仲介手数料が最大無料(ゼロチュー売却®):当社が買主を見つけた場合、売主様の仲介手数料は0円です。レインズ経由で他社を通じて成約した場合は、相場の半額(売却価格×1.5%+消費税)となります。いずれの場合も、レインズと主要ポータルサイトに物件情報を掲載し、囲い込みは行いません。
- 業界経験者のみのプロ集団:代表の桝谷は業界経験18年の宅地建物取引士。大手仲介会社での実務経験を持つメンバーが、売却の実務を担当します。
- 都心エリアに特化した専門知識:対応エリアは渋谷区・港区・目黒区・千代田区・中央区・品川区・世田谷区・杉並区の8区。住み替え・買い換えのご相談にも対応します。
なお、税額の計算や特例の適用判断は税理士・税務署の領域です。当社がご提供するのは、売却価格の見込みと、仲介手数料を含めた手取り額の試算です。査定を受けたからといって、売却を決める必要はありません。
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本記事で使用したデータの出典・集計方法(クリックで開く)
本記事に記載した税務上の数値・要件は、すべて出典と基準日を明記しています。リンク先の一次情報でそのままご検証いただけます。なお、3,000万円特別控除の適用要件や税額の計算方法については、判定編・税額編の各記事の出典表に記載しています。
| 本文の記述 | 出典 | 時点・基準日 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 買換え特例の1億円要件・35条1項および31条の3第1項との併用不可・課税の繰延べの仕組み | 租税特別措置法 第36条の2第1項(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用(1億円要件・併用不可・繰延べの仕組み)。適用期限は令和8年度改正で令和9年12月31日まで延長(財務省「令和8年度税制改正の解説」・令和8年法律第12号/後掲) |
| 1億円の判定を共有者ごとに行うこと(家屋と敷地の所有者が異なり両者が適用を受ける一定の場合は、家屋と土地の譲渡価額を合計して判定) | 国税庁 租税特別措置法関係通達「36の2-6の2 譲渡に係る対価の額が1億円を超えるかどうかの判定」 | 現行 | 通達を引用。譲渡資産が共有である場合は各所有者ごとの譲渡対価により判定 |
| 1億円の判定における前年・前々年の譲渡との合算(前3年以内の譲渡) | 租税特別措置法 第36条の2第3項(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用。「当該譲渡資産と一体として当該個人の居住の用に供されていた家屋又は土地」の譲渡が対象 |
| 1億円の判定における翌年・翌々年の譲渡との合算(適用が事後的に否定されること) | 租税特別措置法 第36条の2第4項(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用。「合計額が一億円を超えることとなつたときは、適用しない」 |
| 上記に該当した場合の修正申告義務(譲渡の日から4か月以内の申告・納付) | 租税特別措置法 第36条の3第3項(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用 |
| 買換え特例が「課税の繰延べ」である根拠(買換資産の取得価額を、元の譲渡資産の取得価額等をもとに計算すること)/比較表1の3区分 | 租税特別措置法 第36条の4(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用。同条は、譲渡による収入金額と買換資産の取得価額との大小に応じた3区分を定めている(「買換えに係る居住用財産の譲渡の場合の取得価額の計算等」)。譲渡費用がある場合の加算は政令の定めによる |
| 買換え特例の要件(売却代金1億円以下・居住期間10年以上・所有期間10年超・入居期限・買換資産の床面積50㎡以上/敷地500㎡以下/耐火建築物の中古住宅は取得の日以前25年以内の建築等)・必要書類 | 国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。同ページ本文の適用期限は「令和7年12月31日まで」と記載(基準日時点の法令に基づくため) |
| 比較表2(3,000万円特別控除と買換え特例の違い)の各項目 | 国税庁「No.3302」「No.3305」「No.3355」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。軽減税率の税率の中身は税額編の出典表に記載 |
| 買換え特例の適用期限が令和9年12月31日まで2年延長されたこと(措法36の2①②、36の5)/新設のハザードエリア要件(買換資産が災害危険区域等内において建築されたもの以外であることを明らかにする書類=「立地要件証明書」の提出/令和8年3月国土交通省告示第475号)/適用時期 | 財務省「令和8年度税制改正の解説 — 租税特別措置法等(所得税関係)の改正」270ページ(成立法ベースの公式解説) | 令和8年3月31日公布(令和8年法律第12号) | 原文「本特例の適用期限(令和7年12月31日)が令和9年12月31日まで2年延長されました」を引用。閣議決定の大綱ではなく、成立した改正法の解説による確認 |
| 上記大綱を含む改正法の成立・公布(第221回国会/衆院令和8年3月13日可決/参院令和8年3月31日可決/令和8年3月31日公布・令和8年法律第12号) | 参議院 議案情報 | 2026年7月時点で確認 | 買換え特例の延長は、成立した改正法(令和8年法律第12号)と財務省「令和8年度税制改正の解説」で確認できる |
| 3,000万円特別控除(措法35条1項)について、令和8年度税制改正による主要な制度変更が確認されなかったこと | 国税庁「令和8年度税制改正の大綱(抄)」を全文検索 | 令和7年12月26日閣議決定 | 令和8年度税制改正の大綱(抄)において、措法35条1項・3,000万円特別控除に関する主要な改正記述が確認されなかったことによる。本記事の確認範囲での記載(消極的確認) |
| 住宅ローン控除との併用不可(居住年およびその前2年、その後3年の計6年間/令和2年3月31日以前の譲渡は計5年間/列挙に措法31条の3①・35条1項・36条の2が含まれること) | 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 住宅ローン控除の適用期限が令和12年12月31日まで延長されたこと/令和8年から令和12年までの間に入居する場合の借入限度額等の改正 | 財務省「令和8年度税制改正の解説 — 租税特別措置法等(所得税関係)の改正」224ページ(成立法ベースの公式解説) | 令和8年3月31日公布(令和8年法律第12号) | 原文「それぞれ適用期限が令和12年12月31日まで5年延長されるとともに、…令和8年から令和12年までの間にその対象となる家屋を自己の居住の用に供した場合の住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)、控除率及び控除期間は次のとおりとされました」を引用(措法41①~④、⑥~⑨)。国税庁 No.1211-1は令和7年4月1日現在法令等のため、改正後の数値は本資料で確認。なお財務省の解説では「住宅ローン税額控除」と表記 |
| 仲介手数料の上限額(売却価格×3%+6万円)×1.1 | 宅地建物取引業法に基づく国土交通省告示 | 現行 | 消費税10%を加算 |
| 未経過固定資産税等(固定資産税・都市計画税の精算金)に相当する額を受け取った場合、その額は譲渡価額(収入金額)に算入されること=1億円判定にも影響する | 国税庁「No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
【最終更新日】 2026年7月31日
【免責事項】 本記事は、国税庁が公表するタックスアンサー、e-Gov法令検索に掲載された条文、財務省が公表する税制改正の大綱等に基づき、一般的な情報提供を目的として作成したものです。記載内容は執筆時点(2026年7月31日)のものであり、各出典の基準日は上記の出典表に記載しています。税制は改正される可能性があり、また特例の適用可否は物件の状況・居住実態・売却相手・過去の特例適用歴・共有関係等の個別事情によって判断が分かれます。個別性の高い論点については、本記事では断定を避けています。本記事の記載は、個別のケースにおける特例の適用または税額を保証するものではありません。実際の適用可否および税額の算定にあたっては、必ず管轄の税務署または税理士にご確認ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当社は責任を負いかねます。
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