マンションご売却
2026/07/18
マンション売却の3,000万円特別控除|使える条件・使えないケースの見分け方
「マンションを売ったら3,000万円の控除が使えるらしい」——そう聞いて、税金の心配はほとんどなくなると考えている方は少なくありません。
たしかに、居住用財産を売却したときの3,000万円特別控除は、マイホーム売却における影響の大きい制度です。譲渡所得が3,000万円以下で、ほかの適用要件も満たす場合には、課税される所得がゼロになることがあります。
ただし、この控除は「誰でも使える」わけではありません。売る相手が親族だと使えない、住まなくなってからの売却に期限がある、相続したマンションでは名前のよく似た別の特例(空き家特例)と混同しやすい——など、思わぬところで対象外になることがあります。
本記事は、「自分はこの控除を使えるのか」を判定していただくためのものです。3,000万円特別控除の適用要件、使えない代表的なケース、転勤・賃貸・共有・相続といったケース別の判断、そして確定申告の手続きまでを、国税庁の公表情報と条文を根拠に整理します。本記事に登場する税務上の数値・要件は、すべて出典と基準日を明記しています。ご自身のケースに当てはまるかどうかを、リンク先の一次情報でそのまま検証していただけます。
なお、この特例については、読者の目的に応じて記事を3つに分けています。
- 本記事【判定編】:使える条件・使えないケース・確定申告 ←いまここ
- 【税額編】:譲渡所得の計算・取得費・軽減税率で、実際にいくら税金がかかるか(近日公開)
- 【住み替え・1億円編】:買換え特例との選択・売却代金1億円超の落とし穴・住宅ローン控除(近日公開)
まず本記事でご自身が対象になるかをご確認いただき、必要に応じて税額編・住み替え編にお進みください。
【この記事でわかること】
- 3,000万円特別控除の適用要件と、判定表による自己チェック
- 適用できない代表的なケース(親族間売却・期限切れ・別荘 など)
- 転勤・賃貸・共有名義・相続したマンションの、ケース別の判断の考え方
- 相続したマンションで「空き家特例」が原則として使えない理由と、それでも35条1項で対象になり得る道
- 確定申告の手続きと必要書類(税額がゼロでも申告が必要な理由)
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3,000万円特別控除とは
3,000万円特別控除とは、マイホーム(居住用財産)を売却したときに、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度のことです。根拠となる法令は租税特別措置法35条1項で、国税庁のタックスアンサーでは「No.3302 マイホームを売ったときの特例」として解説されています。
重要なのは、この控除は「売却価格」から3,000万円を引くものではないという点です。差し引く対象は「譲渡所得」、つまり売却によって生じた利益です。1億円で売れたマンションでも、利益が2,000万円しか出ていなければ、控除できるのはその2,000万円までで、余る1,000万円分は使われずに終わります。逆に、利益が5,000万円出ていれば、3,000万円を引いた残り2,000万円に対して課税されます。
この控除の適用に、所有期間の長さは関係ありません。所有期間が5年以下(短期譲渡)であっても、居住用財産としての要件を満たしていれば3,000万円特別控除は使えます。所有期間が効いてくるのは、後述する軽減税率の特例(10年超所有が要件)のほうです。
POINT
3,000万円特別控除は「利益(譲渡所得)から引く」制度です。売却価格から引くわけではありません。「1億円で売っても3,000万円引けるから7,000万円に課税」という理解は誤りで、正しくは「利益が5,000万円なら3,000万円を引いた2,000万円に課税」となります。
なお、本記事で解説するのは租税特別措置法(以下、措法)35条1項の特例です。相続した空き家を売却したときの3,000万円特別控除(措法35条3項、いわゆる空き家特例)は、名称も控除額も似ていますが別の制度で、しかも分譲マンションでは原則として使えません(理由は「相続したマンションを売る場合」でご説明します)。相続したマンションの売却をお考えの方は、そちらをご確認ください。

【最初に確認】あなたのケースで使えるか
制度の詳しい説明に入る前に、ご自身が対象になるかどうかを確認できるようにしました。ここで「使えない」と分かれば、この特例を前提とした計算は不要です(ただし、通常の譲渡所得課税や、ほかの特例が使えるかどうかの確認は別途必要です)。
以下は国税庁が公表している要件を、一般的な区分所有マンションを、家屋と敷地の権利を一体で売却するケースに絞って整理した簡易チェックです。すべての要件・すべてのケースを網羅したものではありません。共有名義、単身赴任で家族だけが住んでいるケース、店舗・事務所併用住宅、家屋を取り壊して敷地だけを売るケース、家屋と敷地の所有者が異なるケースなどは、別途確認が必要です(共有名義・単身赴任は「ケース別の適用可否」で扱います)。最終的な判断は、必ず管轄の税務署または税理士にご確認ください。
3,000万円特別控除の判定
次の7つがすべて当てはまるなら、3,000万円特別控除の対象になる可能性があります。
| # | 確認すること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 売るマンションに自分が住んでいる、または住んでいた | No.3302 要件(1)イ・ロ |
| 2 | すでに住んでいない場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る | No.3302 要件(1)ロ |
| 3 | 売る相手が、親子・夫婦・生計を一にする親族・売却後にその家屋で同居する親族・内縁関係の人・特殊な関係のある法人ではない | No.3302 要件(5) |
| 4 | 売った年の前年・前々年に、この特例(35条1項)や「マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」(売却損が出たときの特例)を受けていない(※空き家特例によってこの特例の適用を受けていた場合は、ここから除かれます) | No.3302 要件(2) |
| 5 | 売った年・その前年・前々年に、マイホームの買換え特例や交換の特例(マイホームを別のマイホームと交換したときの特例)を受けていない | No.3302 要件(3) |
| 6 | 売った家屋や敷地等について、収用等(公共事業などで土地建物が買い取られる場合)の特別控除など、他の特例を受けていない | No.3302 要件(4) |
| 7 | そのマンションが、節税のためだけに一時的に入居した家屋・仮住まい・別荘ではない | No.3302「適用除外」 |
判定の読み方
- 7つすべてが「はい」 → 3,000万円特別控除の対象になる可能性があります。次は税率を確認してください(下の軽減税率の判定表へ)
- 1つでも「いいえ」がある → 対象外の可能性が高いです。「3,000万円特別控除が使えないケース」で詳細をご確認ください
- 「わからない」がある → 税務署または税理士にご確認ください。4番目・5番目(過去の特例の利用歴)は、過去2〜3年分の確定申告書で確認できます(5番目は売った年も対象ですので、その年に買換え特例・交換の特例を使うご予定がないかも、あわせてご確認ください)
POINT
2番目の期限の数え方にご注意ください。 国税庁の原文は「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る場合に限ります」としており、単純な「3年以内」ではありません。
たとえば2023年5月に住まなくなった場合、3年を経過する日は2026年5月。その日が属する年の12月31日、すなわち2026年12月31日までが期限です。実質的に3年7か月ほどの猶予があることになります。
なお、その家屋は住まなくなった日以後、どのような用途に使用してもかまいません(国税庁 No.3302 要件(1)ロ)。賃貸に出していても、期限そのものは変わりません。ただし、賃貸期間があると取得費の計算方法が変わります。
注意
5番目と7番目は見落とされやすい要件です。
5番目は「前年・前々年」だけでなく売った年も対象で、しかも買換え特例・交換の特例が対象です。4番目(この特例・売却損の特例)とは別の要件として定められています。
7番目について、国税庁 No.3302 は「適用除外」として、次の家屋にはこの特例は適用されないと明記しています。
- この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
- 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
- 別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋
「売る前に住民票を移せば3,000万円控除が使える」という理解は誤りです。
POINT
3,000万円特別控除は「3年に1度」が原則です。
4番目の要件は「売った年の前年・前々年にこの特例を受けていないこと」です(国税庁 No.3302 要件(2))。裏を返すと、一度この特例を使うと、その翌年・翌々年に売却したマイホームには原則として使えません。結果として、実質的におよそ3年に1度しか利用できない特例ということになります。
複数の不動産をお持ちで、数年のうちに続けて売却をお考えの場合は、どの物件でこの控除を使うかを先に決めておくことをおすすめします。
注意
ご本人が住んでいなくても、対象になる場合があります。 転勤・転地療養などの事情でご本人が単身で別に暮らし、配偶者やお子様だけがそのマンションに住んでいる場合、その事情がなくなればご家族と一緒に暮らすと認められるときは、この特例の対象になり得ます(国税庁「No.3317 配偶者等だけが住んでいるマイホームを売ったとき」)。ただし、ご本人が主として住んでいた別の家屋がある場合は、そちらが対象になります。単身赴任中の売却をお考えの方は、この点を税務署または税理士にご確認ください。
所有期間10年超の軽減税率
3,000万円特別控除が使える方のうち、さらに次の要件を満たすと、課税される所得のうち6,000万円以下の部分について税率が下がります(6,000万円を超える部分の税率は変わりません。税率の中身と「366万3,000円で頭打ち」になる仕組みは、続編で解説します)。
| # | 確認すること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 売った年の1月1日において、家屋と敷地の所有期間がともに10年超 | No.3305 要件(2) |
| 2 | 売った年の前年・前々年に、軽減税率の特例を受けていない | No.3305 要件(3) |
| 3 | 買換え特例・交換の特例など他の特例を受けない(※3,000万円特別控除とは併用できます) | No.3305 要件(4) |
| 4 | 売る相手が特別の関係がある人ではない | No.3305 要件(5) |
軽減税率が適用される場合の税率
| 課税長期譲渡所得金額 | 税率 |
|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 14.21% |
| 6,000万円を超える部分 | 20.315% |
ここでいう課税長期譲渡所得金額とは、「収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除」で計算した金額です(国税庁 No.3305)。3,000万円特別控除を差し引いたあとの金額が対象になります。税率は所得税・復興特別所得税・住民税を合計したものです。
POINT
2番目にご注意ください。軽減税率の特例にも「前年・前々年に受けていないこと」という制限があります(国税庁 No.3305 要件(3))。3,000万円特別控除だけの話ではありません。
また1番目の判定は、売却した日ではなく、売却した年の1月1日が基準です。2026年3月に売る場合、2026年1月1日の時点で所有期間が10年を超えている必要があります。
併用可否 早見表
【併用可否 早見表】
| 組み合わせ | 併用 | 根拠 |
|---|---|---|
| 3,000万円特別控除 + 軽減税率の特例 | 〇 | 国税庁 No.3305「重ねて受けることができます」 |
| 3,000万円特別控除 + 買換え特例 | × | 措法36条の2の条文(35条1項の適用を受けている場合を除く) |
| 買換え特例 + 軽減税率の特例 | × | 措法36条の2の条文(31条の3第1項の適用を受けている場合を除く) |
| 3,000万円特別控除 + 住宅ローン控除 | ×(6年ルール該当時) | 国税庁 No.1211-1(新居への入居年とその前2年・その後3年の計6年間に該当する場合) |
| 軽減税率の特例 + 住宅ローン控除 | ×(同上) | 国税庁 No.1211-1(同上の列挙に措法31条の3①が含まれる) |
| 買換え特例 + 住宅ローン控除 | ×(同上) | 国税庁 No.1211-1(同上の列挙に措法36条の2が含まれる) |
要するに、主な選択肢は次の3つに整理できます。
- 3,000万円特別控除のみ(所有期間の要件はありません)
- 3,000万円特別控除 + 軽減税率の特例(所有期間10年超などの要件を満たす場合は、重ねて受けられます)
- 買換え特例(単独。上記2つとは併用できない)
そして売却代金が1億円を超える場合(固定資産税・都市計画税の精算金を含みます)、買換え特例は使えません(詳細は続編で解説します)。都心のマンション売却では、選択肢が最初から一つに絞られているケースが少なくありません。
注意
1億円の判定は、売買契約書に書かれた金額だけで決まるとは限りません。
引渡日以降の固定資産税・都市計画税を買主から精算金として受け取った場合、その額は譲渡価額(収入金額)に算入されます(国税庁「No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」)。売買代金が9,900万円台の場合、精算金を加えると1億円を超えることがあります。
また、一体として利用していた部分を別途分割して売却している場合は、売却した年の前々年から翌々年までの5年間に売却した部分も含めて1億円かどうかを判定します(国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」)。1億円前後になりそうな場合は、事前に税理士にご確認ください。
判定できたら——次に読むところ
このクラスターは目的別に3記事に分かれています。ご自身の状況に応じて、必要な記事にお進みください。
| あなたの状況 | 次に読むところ |
|---|---|
| 控除が使えそう/実際の税額を知りたい | 譲渡所得・取得費から税額を試算します(税額編・近日公開) |
| 控除が使えそう/売った年の1月1日で所有期間が10年超 | 軽減税率で6,000万円以下の部分の税率が下がります(税額編・近日公開) |
| 住み替え予定/売却代金が1億円を超える | 買換え特例は使えません(住み替え・1億円編・近日公開) |
| 住み替え予定/売却代金が1億円以下 | 買換え特例との二者択一です(住み替え・1億円編・近日公開) |
| 新居で住宅ローン控除を使う予定がある | 新居への入居年とその前2年・その後3年に該当する場合は併用できません(住み替え・1億円編・近日公開) |
| 相続したマンションを売る | 本記事相続したマンションを売る場合へ(空き家特例は原則として使えません) |
| 判定表で「いいえ」があった/わからない | 本記事使えないケースをご確認のうえ、税務署または税理士へ |
POINT
取得費は、特例の適否や所有期間と並び、税額を大きく左右する重要な要素です。 どの状況の方も、まず購入時の売買契約書を探すことから始めてください。
3,000万円特別控除が使えないケース
適用要件の裏返しとして、次のようなケースでは3,000万円特別控除が使えません。判断に迷いやすいものを挙げます。
| ケース | 適用 | 根拠 |
|---|---|---|
| 親・子・配偶者へ売却した | × | 特別の関係がある人への譲渡は除外(国税庁 No.3302 要件(5)) |
| 生計を一にする親族へ売却した | × | 「特別の関係がある人」に含まれる(同上) |
| 内縁関係の人へ売却した | × | 「特別の関係がある人」に含まれる(同上) |
| 家屋を売った後、その家屋で同居する親族へ売却した | × | 「特別の関係がある人」に含まれる(同上) |
| 前年または前々年にこの特例を受けた | × | No.3302 要件(2) |
| 前年または前々年にマイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を受けた | × | No.3302 要件(2) |
| 売った年・前年・前々年に、マイホームの買換え特例または交換の特例を受けた | × | No.3302 要件(3)(前年・前々年だけでなく売った年も対象) |
| 収用等の場合の特別控除など、他の特例の適用を受けた | × | No.3302 要件(4) |
| 住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日を過ぎて売却した | × | No.3302 要件(1)ロ |
| この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋 | × | No.3302「適用除外」 |
| 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋 | × | No.3302「適用除外」 |
| 別荘など、主として趣味・娯楽・保養のために所有する家屋 | × | No.3302「適用除外」 |
注意
表の下3つは、国税庁 No.3302 が「適用除外」として明記しているものです。「売る前に住民票を移せば3,000万円控除が使える」という理解は誤りです。 この特例の適用を受けることだけを目的とした入居は、除外されます。
また、セカンドハウスや別荘は、居住の実態があっても「主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋」に当たれば対象外です。都心にお住まいで、地方に別宅をお持ちの方はご注意ください。
「特別の関係がある人」への売却が除外されていることは、相続や親族間での資産整理をお考えの方にとって影響の大きい要件です。市場価格で適正に売買したとしても、相手が親子であれば適用されません。
プロのアドバイス
「親族に売るつもりだったが、特例が使えないと知って第三者への売却に切り替えた」というケースは実際にあります。ただし、これは税額だけで決める話ではありません。誰に引き継ぐか、いつまでに現金化する必要があるか、といったご事情と合わせて判断すべきものです。税額の試算は税理士に、売却の選択肢と市場での価格帯については不動産会社に、それぞれ確認したうえで比較検討されることをおすすめします。
ケース別の適用可否
実際のご相談で多いケースについて、判断の考え方を整理します。ここでは「原文から確実に言えること」と「個別判断が必要なこと」を分けて整理します。
転勤で引っ越したあとのマンションを売る場合
住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、適用の対象となり得ます(国税庁 No.3302)。期限の数え方については「【最初に確認】あなたのケースで使えるか」の判定表と[ポイント]をご確認ください。
引っ越したあと、人に貸していた場合
国税庁 No.3302 が定める期限の要件は「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること」であり、その間に賃貸していたかどうかで期限そのものが変わる旨の記述は、同ページにはありません。ただし、賃貸に出していた期間の減価償却の扱いなど、取得費の計算に影響する論点が生じます。この組み合わせは個別性が高いため、税務署または税理士にご相談ください。
共有名義のマンションを売る場合
都心のマンションでは、ご夫婦の共有名義になっているケースが多くあります。
共有のマイホームを売った場合、3,000万円特別控除の適用可否は共有者ごとに判定されます。そして、要件を満たす共有者は、1人につき最高3,000万円の控除を受けられます。 国税庁「No.3308 共有のマイホームを売ったとき」は、「特別控除額は共有者全員で3,000万円ではありません。この特例の適用を受けることができる共有者1人につき最高3,000万円です」と明記しています。
たとえば、ご夫婦がマンションの住戸(家屋)とその敷地権を共有し、双方がそれぞれ適用要件を満たすのであれば、合わせて最高6,000万円(各3,000万円)の控除を受けられることになります。
POINT
適用は共有者ごとの判定です。持分割合・居住の実態・過去の特例の利用歴・売却の相手方は、共有者ごとに確認されます。共有者の一方が要件を満たさない場合、その方は控除を受けられませんが、もう一方はご自身が要件を満たせば最高3,000万円を控除できます。
共有名義の方が確認すべきことは、共有者ごとに次の3点です。
| 確認すること | どこで確認できるか |
|---|---|
| 共有者それぞれの居住の実態 | 住民票(物件所在地と一致しているか)。一致しない場合は戸籍の附票 |
| 共有者それぞれの過去2〜3年の特例の利用歴(買換え特例・交換の特例は売った年も対象) | 過去の確定申告書。売った年にこれらの特例を使うご予定がある場合は、その予定も |
| 売却の相手方が、共有者の誰かにとって「特別の関係がある人」に当たらないか | 買主の属性 |
国税庁 No.3302 は、提出書類として「売った人がそのマンションを居住の用に供していたことを明らかにする書類」を求めています(住民票上の住所と物件所在地が異なる場合)。つまり居住の実態は「売った人」ごとに問われるということです。
注意
家屋と敷地の所有者が異なる場合は、取扱いが変わります。 たとえば、家屋は夫の単独所有で、敷地だけが夫婦共有といったケースです。この場合、家屋を所有していない敷地だけの所有者は原則として対象外ですが、①家屋と敷地を同時に売ること、②家屋の所有者と親族関係にあり生計を一にしていること、③その家屋に一緒に住んでいること、のすべてを満たせば控除を受けられることがあります。ただしこのとき、控除額は家屋の所有者と敷地の所有者を合わせて3,000万円までです(国税庁「No.3311 家屋と敷地の所有者が異なるとき」)。
持分割合や所有関係が複雑な場合は、登記事項証明書(持分割合がわかるもの)を持って税理士にご相談ください。
相続したマンションを売る場合
「相続したマンションを売るなら空き家特例で3,000万円控除」という説明を見かけることがありますが、空き家特例(措法35条3項)は、分譲マンションでは原則として使えません。
国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」は、対象となる「被相続人居住用家屋」の要件として、次の3つすべてに当てはまることを求めています。
イ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。 ロ 区分所有建物登記がされている建物でないこと。 ハ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
分譲マンションは区分所有建物として登記されているため、ロの要件に当てはまりません。
※なお、空き家特例の控除額は常に3,000万円とは限りません。2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋等を取得した相続人が3人以上いる場合、控除の上限は1人当たり2,000万円となります(国税庁 No.3306)。では、相続したマンションの売却で3,000万円の控除は一切受けられないのかというと、そうとは限りません。
相続された方ご自身がそのマンションに居住し、本記事で解説している35条1項の要件(「【最初に確認】あなたのケースで使えるか」の判定表)を満たせば、対象になり得ます。
さらに、所有期間は被相続人が取得した日から計算されます(国税庁 No.3202)。被相続人が長く保有していたマンションであれば、相続後すぐに売却しても長期譲渡(20.315%)として扱われ、売った年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていれば、軽減税率の対象にもなり得ます。
ただし、この判断には相続の経緯・居住の実態・遺産分割の状況が関わります。税理士にご相談される際は、次の2つをご用意ください。
- 被相続人がそのマンションを取得した日がわかる資料(購入時の売買契約書、登記事項証明書)——所有期間の計算に必要です
- 相続後にご自身が居住していたことがわかる資料(住民票、必要に応じて戸籍の附票)——35条1項の適用可否の判断に必要です
注意
上記のケース分けは、判断の出発点を示すものであり、適用を保証するものではありません。特に共有名義・賃貸併用・店舗兼用住宅などは、原文だけでは判断できない論点を含みます。ご自身のケースについては、必ず税務署または税理士にご確認ください。

確定申告の手続きと必要書類
3,000万円特別控除は、確定申告をしなければ適用されません。申告は、売却した年の翌年に行います。
必要書類
【必要書類の一覧(3,000万円特別控除・軽減税率の特例)】
| 書類 | 3,000万円特別控除 | 軽減税率の特例 |
|---|---|---|
| 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用] | ○ | ○ |
| 売った居住用家屋やその敷地の登記事項証明書 | — | ○(※1) |
| 戸籍の附票の写し等(※2) | 場合により | 場合により |
注意
買換え特例を使う場合は、必要書類が大きく異なり、点数も多くなります(売却代金が1億円以下であることを明らかにする書類、買い換えた資産の登記事項証明書・売買契約書、中古住宅なら築年数や耐震基準を示す書類 など)。買換え特例の必要書類については、続編で解説します。
POINT
軽減税率の特例などで登記事項証明書が必要になる場合でも、添付を省略できます。 国税庁 No.3305 は次のように案内しています。
土地・建物の登記事項証明書については、「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」に不動産番号を記載することなどにより、その添付を省略することができます。
(不動産番号は、登記事項証明書に記載されています。お手元に登記事項証明書があれば、そこから転記できます。)
なお登記事項証明書は、登記所の窓口・郵送のほか、インターネットでのオンライン請求もできます(手数料が安く、平日は21時まで/国税庁 No.3305 に法務局からの案内として記載)。
注意
上記は各タックスアンサーに記載されている書類です。実際の申告では、これら以外にも状況に応じた書類の提出を求められる場合があります。提出書類の最終確認は、管轄の税務署または税理士にご確認ください。
税理士にご相談される前に、用意しておくとよいもの
税額の判断を税理士に依頼される場合、次の資料が揃っていると話が早く進みます。
- 購入時の売買契約書(取得費の根拠。土地と建物の内訳が記載されているかが重要です)
- 購入時の諸費用の領収書(登録免許税・登記費用・不動産取得税・印紙税・仲介手数料。これらは原則として取得費に加算できます。ただし、賃貸期間中に不動産所得などの必要経費に算入したものは、重ねて取得費には含められません)
- 売却前の資料(査定書・媒介契約書)と、売買契約後の資料(売却時の売買契約書)
- 住民票、必要に応じて戸籍の附票(居住の実態を示すもの)
- 過去2〜3年分の確定申告書(前年・前々年に他の特例を使っていないかの確認。買換え特例・交換の特例は売った年も対象ですので、その年のご予定もあわせてお伝えください)
- 賃貸に出していた期間がある場合は、その期間がわかる資料(減価償却の計算方法が変わります)
- 共有名義の場合は、共有者それぞれについて上記の資料
プロのアドバイス
「購入時の売買契約書が見つからない」というご相談は少なくありませんが、税理士にご相談される前に探すかどうかで、税額が数百万円変わることがあります(取得費が不明な場合は「概算取得費5%」となり、多くの場合きわめて不利になります)。当社にご相談いただく際も、まずこの1点をお伺いしています。
申告のタイミング
譲渡所得の確定申告は、売却した年の翌年の確定申告期間に行います。税額がゼロになる場合でも、特例を適用するためには申告が必要です。「控除で税金がかからないから申告不要」ではありません。ここは間違えやすいところです。
契約日と決済日が年をまたぐ場合は、「どちらの年の譲渡とするか」を選べることがあります。
譲渡所得は、原則として引渡し(決済)があった日の年分として申告します。ただし国税庁は、売買契約の効力発生の日(契約日)に譲渡があったものとして申告することもできるとしています(国税庁「No.3102 譲渡所得の申告時期」/所得税基本通達36-12)。
たとえば、次のように年をまたぐケースです。
| 日付 | 選べる譲渡年 | |
|---|---|---|
| 売買契約日 | 2026年9月20日 | 2026年分として申告 |
| 残金決済・引渡し | 2027年1月31日 | 2027年分として申告(原則) |
プロのアドバイス
この選択は、3,000万円特別控除を使えるタイミングに影響します。
前述のとおり、この控除は実質的に3年に1度しか使えません。そのため、数年のうちに別のマイホームも売却するご予定がある場合、今回の譲渡を2026年分とするか2027年分とするかで、次に控除を使える年が変わってきます。
どちらが有利かは、次の売却の時期・見込まれる譲渡所得・ほかの所得の状況によって変わります。契約スケジュールを決める前に、将来の住み替え予定も含めて税理士にご相談ください。当社でも、引渡し時期のご希望は売却活動の設計段階でお伺いしています。
売却全体の流れについては「【2026年最新】不動産売却の流れ10ステップ完全ガイド」で解説しています。
売却で損失が出た場合
なお本記事は、売却によって利益(譲渡所得)が出るケースを前提としています。売却損が出た場合には、別の特例があります(国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に、譲渡損失が生じたとき」「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」)。本記事の対象外ですので、詳細は税務署または税理士にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 3,000万円特別控除は売却価格から3,000万円を引けるということですか?
いいえ、引くのは譲渡所得(利益)からです。譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で計算します(国税庁 No.3202)。1億円で売却しても、取得費と譲渡費用を引いた利益が2,000万円であれば、控除できるのはその2,000万円までです。
Q2. 所有期間が5年以下でも3,000万円特別控除は使えますか?
はい、使えます。3,000万円特別控除(措法35条1項)に所有期間の要件はありません(国税庁 No.3302)。所有期間が要件になるのは軽減税率の特例(売った年の1月1日で10年超)と、税率の区分(5年以下は短期譲渡39.63%)です。
Q3. すでに引っ越したマンションでも控除は使えますか?
使える場合があります。国税庁 No.3302 では「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る場合に限ります」とされています。2023年5月に住まなくなった場合、期限は2026年12月31日です。ご自身の正確な期限は税務署または税理士にご確認ください。
Q4. 親に売る場合でも3,000万円特別控除は使えますか?
いいえ、使えません。国税庁 No.3302 では「親子や夫婦など『特別の関係がある人』に対して売ったものでないこと」が要件とされており、生計を一にする親族や内縁関係の人も含まれます。市場価格で適正に売買した場合でも適用外です。
まとめ
マンション売却の3,000万円特別控除について、「使えるかどうか」の観点で、国税庁の公表情報と条文から確認できたことを整理します。
3,000万円特別控除は、売却価格ではなく譲渡所得から引く制度です。所有期間の要件はなく、短期譲渡でも適用できます。ただし、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限、親族等への売却の除外、前年・前々年に受けていないことといったルールがあります。
判定は「7つの要件がすべて当てはまるか」で行います。1つでも外れると対象外の可能性が高くなります(「使えないケース」)。特に、売る前に住民票を移しただけでは使えないこと、別荘・セカンドハウスは対象外になり得ることにご注意ください。
相続したマンションでは、空き家特例は原則として使えません。空き家特例(措法35条3項)は対象家屋の要件として「区分所有建物登記がされている建物でないこと」を挙げているためです(国税庁 No.3306)。ただし、相続された方ご自身が居住してから売却すれば、本記事で解説した35条1項の対象になり得ます。所有期間は被相続人が取得した日から計算されるため、長期譲渡(20.315%)になりやすい点もあわせて押さえておいてください。
税額がゼロでも、特例の適用には確定申告が必要です。「控除で税金がかからないから申告不要」ではありません。売却した年の翌年に申告します。
そして、「使えるか」の判定の先には、「では実際にいくらかかるのか」「住み替えるならどうするか」という論点が続きます。
- 取得費は税額を大きく左右する重要な要素です。建物部分は減価償却されるため、購入代金がそのまま取得費になるわけではありません。実際の税額の出し方・軽減税率の頭打ち・1億円帯のシミュレーションは、続編(税額編)で解説します。
- 住み替えをご予定の方は、買換え特例との選択が論点になります。ただし、売却代金が1億円を超える場合、買換え特例は使えません。また、これらの特例と住宅ローン控除は、新居への入居年とその前2年・その後3年の計6年間に該当する場合、原則として併用できません。詳しくは続編(住み替え・1億円編)で解説します。
次の行動チェック
| タイミング | やること |
|---|---|
| 売却を検討し始めたら | 購入時の売買契約書と諸費用の領収書を探す(取得費が税額を大きく左右します。土地と建物の内訳が記載されているかも確認) |
| 売り出す前に | 判定表でご自身が対象かを確認する。住み替えのご予定があれば併用可否 早見表も |
| 売却価格の見込みが立ったら | 税額を試算する(税理士にご相談される場合は持参する資料を用意) |
| 売却した年の翌年 | 確定申告する(税額がゼロでも、特例の適用には申告が必要です) |
税額の試算は、売却価格が決まらなければ始まりません。ご自宅がいくらで売れるのか、取得費との差はどれくらいか。まずはそこを確定させることが、税金の見通しを立てる第一歩です。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の適用可否・税額については、必ず税務署または税理士にご相談ください。
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税金の見通しを立てるには、まず売却価格の見込みが必要です。当社は渋谷区を拠点に、都心8区の居住用不動産の売買仲介を専門としています。
- 売主様の仲介手数料が最大無料(ゼロチュー売却®):当社が買主を見つけた場合、売主様の仲介手数料は0円です。レインズ経由で他社を通じて成約した場合は、相場の半額(売却価格×1.5%+消費税)となります。いずれの場合も、レインズと主要ポータルサイトに物件情報を掲載し、囲い込みは行いません。
- 業界経験者のみのプロ集団:代表の桝谷は業界経験18年の宅地建物取引士。大手仲介会社での実務経験を持つメンバーが、売却の実務を担当します。
- 都心エリアに特化した専門知識:対応エリアは渋谷区・港区・目黒区・千代田区・中央区・品川区・世田谷区・杉並区の8区。1億円前後の価格帯を日常的に扱っています。
なお、税額の計算や特例の適用判断は税理士・税務署の領域です。当社がご提供するのは、売却価格の見込みと、仲介手数料を含めた手取り額の試算です。査定を受けたからといって、売却を決める必要はありません。
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本記事で使用したデータの出典・集計方法(クリックで開く)
本記事に記載した税務上の数値・要件は、すべて出典と基準日を明記しています。リンク先の一次情報でそのままご検証いただけます。なお、税額の計算・税率の内訳・買換え特例の詳細については、税額編・住み替え編の各記事の出典表に記載しています。
| 本文の記述 | 出典 | 時点・基準日 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円特別控除の適用要件(住まなくなって3年を経過する日の属する年の12月31日まで/特別の関係がある人への譲渡の除外/前年・前々年の特例適用の除外/売った年・前年・前々年の買換え特例・交換の特例の除外/収用等の特例との関係) | 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」要件(1)〜(5) | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 3,000万円特別控除の適用除外(この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋/新築期間中だけの仮住まい等/別荘など主として趣味・娯楽・保養のための家屋) | 国税庁「No.3302」の「適用除外」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 共有のマイホームを売った場合、適用可否は共有者ごとに判定し、要件を満たす共有者1人につき最高3,000万円を控除できること(共有者全員で3,000万円ではない) | 国税庁「No.3308 共有のマイホームを売ったとき」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 家屋と敷地の所有者が異なる場合の3,000万円特別控除(家屋所有者以外は原則対象外だが、家屋と同時売却・親族関係かつ生計一・同居の要件を満たせば可。控除額は家屋・敷地の所有者を合わせて3,000万円まで) | 国税庁「No.3311 家屋と敷地の所有者が異なるとき」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 本人が単身赴任等で住んでいなくても、配偶者等だけが住んでいる家屋が対象になり得ること | 国税庁「No.3317 配偶者等だけが住んでいるマイホームを売ったとき」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 軽減税率の特例の適用要件(居住用財産であること・住まなくなって3年ルール/1月1日で所有期間10年超/前年・前々年にこの特例を受けていないこと/他の特例との併用不可・ただし3,000万円特別控除とは併用可/特別の関係がある人への譲渡でないこと)・3,000万円特別控除と重ねて受けられること | 国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。税率は課税長期譲渡所得金額(=収入金額−取得費・譲渡費用−特別控除)のうち6,000万円以下の部分が所得税10%、超える部分が15%。本文の14.21%/20.315%は復興特別所得税・住民税を加えた合計。減税額が366万3,000円で頭打ちになる仕組みは税額編の出典表に記載 |
| 未経過固定資産税等(固定資産税・都市計画税の精算金)に相当する額を受け取った場合、その額は譲渡価額(収入金額)に算入されること=買換え特例の1億円判定にも影響する | 国税庁「No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 買換え特例の1億円判定は、一体として利用していた部分を別途分割して売却している場合、売却した年の前々年から翌々年までの5年間に売却した部分も含めて行うこと | 国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。買換え特例の詳細は住み替え編の出典表に記載 |
| 譲渡所得は原則として引渡しがあった日の年分だが、売買契約の効力発生の日に譲渡があったものとして申告することもできること(譲渡年の選択) | 国税庁「No.3102 譲渡所得の申告時期」(根拠法令等:所法120、124〜127、所基通36-12) | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 相続・贈与により取得したものの所有期間は、原則として被相続人・贈与者の取得した日から計算すること/長期譲渡(1月1日で所有期間5年超)の税率20.315% | 国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。所有期間と税率区分の詳細(5年の壁・短期譲渡等)は税額編で扱う |
| 空き家特例(措法35条3項)の対象家屋の要件(イ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと/ロ 区分所有建物登記がされている建物でないこと/ハ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと の3要件すべて)=分譲マンションは原則として対象外 | 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。※2024年1月1日以後の譲渡で、対象家屋等を取得した相続人が3人以上の場合、空き家特例の控除上限は1人当たり2,000万円 |
| 併用可否(3,000万円特別控除+買換え特例は不可/軽減税率の特例+買換え特例は不可)の根拠 | 租税特別措置法 第36条の2第1項(e-Gov法令検索) | 2026年7月17日取得 | 条文を引用。買換え特例の内容・1億円要件・課税の繰延べの詳細は住み替え編の出典表に記載 |
| 住宅ローン控除との併用不可(居住年およびその前2年、その後3年の計6年間) | 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用。6年ルールの詳細は住み替え編で扱う |
| 令和8年度税制改正の反映状況(住宅ローン控除の適用期限は令和12年12月31日まで5年延長。ただし本記事で扱う3,000万円特別控除および同控除と住宅ローン控除の6年ルールについて、大綱に改正の記述は確認できませんでした) | 財務省「令和8年度税制改正の大綱」 | 2026年7月18日取得 | 大綱原文を当社が確認。国税庁タックスアンサーの多くが「令和7年4月1日現在法令等」を基準としているため、改正の反映状況を別途明記しています |
| 確定申告の提出書類(譲渡所得の内訳書[土地・建物用]/軽減税率の特例では売った家屋・敷地の登記事項証明書/住民票上の住所と物件所在地が異なる場合の戸籍の附票の写し等/不動産番号の記載による登記事項証明書の添付省略) | 国税庁「No.3302」「No.3305」 | 令和7年4月1日現在法令等 | 公表情報を引用 |
| 仲介手数料の上限額(売却価格×3%+6万円)×1.1 | 宅地建物取引業法に基づく国土交通省告示 | 現行 | 消費税10%を加算 |
【最終更新日】 2026年7月18日
【免責事項】 本記事は、国税庁が公表するタックスアンサー、e-Gov法令検索に掲載された条文、財務省が公表する税制改正の大綱等に基づき、一般的な情報提供を目的として作成したものです。記載内容は執筆時点(2026年7月18日)のものであり、各出典の基準日は上記の出典表に記載しています。税制は改正される可能性があり、また特例の適用可否は物件の状況・居住実態・売却相手・過去の特例適用歴・共有関係等の個別事情によって判断が分かれます。個別性の高い論点については、本記事では断定を避けています。本記事の記載は、個別のケースにおける特例の適用または税額を保証するものではありません。実際の適用可否および税額の算定にあたっては、必ず管轄の税務署または税理士にご確認ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当社は責任を負いかねます。
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