住宅ローンご売却
2020/02/12
住宅ローン残債が多いと売却は出来ない?
1. 住宅ローン残債があっても売ることができる
マンションや戸建てを新築で購入した場合、それを売ろうと思っても住宅ローンの支払いが完了していないことが多いものです。
残債があると、その支払いを終えていない段階では売れないと思っている人もいます。
しかし、結論から言うと、ローン残債があっても不動産を売却することはできます。
そのためには、いくつかの方法がありますし、それぞれの方法を実行するには条件があります。
まずは、どんな方法を採れるのかを確認する必要があります。
2. 残債よりも売却金額が上回っている場合
最も簡単なケースは、残債額よりも売却予想額の方が高くなるというものです。
首都圏では不動産価値が上昇していますので、購入時よりも高い金額で売れることがあります。
そこまで行かなくても、ローン支払いの初期段階で多めの支払いをしたため、残債が少ないケースもあります。
このような場合は、素直に物件を売ってしまって、その売却益でローンの支払いを完了してしまうのが一番楽です。
3. 自己資金での残債返済
売却予想金額が残債を上回らないとしても、貯金で足りない分をカバーできる場合もそう難しくはありません。
最終的に足りない分を、自己資金から捻出することで残債をゼロにすることができます。
ローンを組んだ銀行も、自己資金が十分にあり残債支払い完了が可能ということであれば、売却と同時の支払い完了を承認してくれることが多いです。
4. 買替ローンを利用する
残債が大きいとしても、買替ローンと呼ばれるものを利用することも可能です。
これは、現在持っている住居を売った後、そのまま新しい家を購入する場合に使えるローンタイプです。
今の物件の残債分を売却益で充当し、足りない分、そして新しく購入する住居分の資金をローンでまかなうことができます。
トータルとしてはローン負担が大きくなりますが、今住んでいる家から引っ越したい理由がある時には、大変役立つローン商品です。
ただし、この買替ローンは誰もが利用できるものではないので注意が必要です。
ある程度年収額が大きいなど、返済能力が高いことや、現在所有している不動産の価値が高いなどの条件が付けられることが多い傾向にあります。
金融機関側での判断によって、この買替ローンの利用の可否が決まりますので、実際にローンを利用したいということを伝えて、審査に通るかどうかを事前に確認した方が無難です。
借りる人にとっても、支払い総額が大きくなる、銀行側にもリスクが伴う商品であるため、利息が高くなるケースが多いなどのデメリットがあります。
そのため、買替ローンを利用するかどうかは慎重に判断しましょう。
貯金で残債支払いができるようなら、その選択肢を始めに選び、買替ローンは次善の策として考えた方が安心です。
5. 残債が大きい時に使える税制上の特例がある
ローン残債が大きく、売却しても損失を被ってしまう場合、税制上の特例を受けることができます。
「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」というものです。
これは、残債で損失になってしまった分を、所得から控除できるというものです。
たとえば、給与所得で600万円あるとして、オーバーローンが150万円あるとします。
すると、150万円分が控除となり、所得が450万円と決められるわけです。
その分税金が安くなります。この特例を利用するには、確定申告をする必要がありますので、必要書類をそろえて翌年に手続きを行います。
源泉徴収では行えない税制上の手続きとなりますので、事前にやり方を確認して、正しく控除申請をしましょう。